ウェブで執筆を行うすべての人たちへ
ウェブを活用しながら執筆をおこなう『ウェブライター』の人にとって便利なChrome拡張機能をまとめてみました。Google Chromebookの発売も近くなり、Chrome OSだけでどう仕事をこなすか真剣に検討をはじめている人もいることでしょう(まだ気がはやいですか?)。作業環境をすべてブラウザ上に移行するという勇者はまだ少ないかもしれないけど、Googleの急速なウェブアプリへのシフトにより、ウェブで執筆をおこなっている人たちにとって便利な環境が整いつつあるのは確かで、全部ブラウザとはいわないものの、ある程度ブラウザ上で作業ができるようにしておくことで作業効率を上げることができる時代に入った、とは言えるでしょう。
というわけで、ウェブで執筆をおこなう人にとって便利なChrome拡張をまとめてみたので、活用してください。実はこれ、記者が自分用にメモしていた拡張機能リンクに加筆したものなのです。僕の場合、作業環境をテストなどでしょっちゅう変更するので、こういうメモを記事として公開しておくと自分自身も便利というのもあり、まとめてみました。もちろん、みなさんにも活用していただきたいと思ってます! 紹介している拡張機能をよく見ていただくと、同じカテゴリの拡張機能を複数紹介している場合もあります。これには二つの理由があって、ひとつは微妙に使い勝手が違うため状況によって使い分ける必要があるというのと、もうひとつはまれにバージョンアップにより動かなくなるものもあるので、バックアップの意味で同種のものを使える状態にしている、ということなのです。同種のものが並んでいる場合、先に紹介している方が僕的にはオススメの拡張機能です。
そうそう、実は今ガジェット通信ではウェブライターさんを募集しています。興味のある方は応募してみてください。
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というわけで、ここから拡張機能の紹介です。
■URLコピペ系の拡張機能
閲覧中のページのタイトルやURLをサッとクリップボードに保存してくれる拡張機能。ウェブ関連の記事を執筆する場合、このツールの使い勝手は作業効率にモロ影響します。
□Create Link – カスタマイズが柔軟なURLコピペ拡張
これがあるとないとではウェブライターの作業効率が大きく変わってきます。Chromeで閲覧中のサイトのリンクをお好みのフォーマットでつくってくれる拡張機能です。ウェブライターにとって記事中に「リンク」や「URL」を掲載する作業はかなりの頻度発生します。場合によっては一日で数十回、百回を超えるなんて場合もあるんじゃないでしょうか。また、記事のみではなく、他の記者などとメールやチャットでURLを共有するという状況も多いです。日本語入力の辞書に「うrl」で「<a href=”” target=”_blank”></a>」が候補と出るように設定し、少しでも手間を軽減しようと工夫している人もいるんじゃないでしょうか。
例えば最もシンプルなリンクを記事に入れる場合でも、以下のような作業手順となります。
○よくある手順
1.<a href=”” target=”_blank”></a>等と記述
2.対象となるページのURLをコピペ(URLをマウスで選択して、コピー。原稿の画面に移動してペースト)
3.ソースを開いてHTMLヘッダ内のタイトルをみつけて、そこから適切な部分をコピペ(右クリックしてページのソースを表示、目視確認しながらタイトルを探し、コピー。原稿の画面に移動してペースト)
かなりめんどいですし、手順が多いのでミスの可能性も高まります。その作業を簡略化し正確にできるようにするのがこの拡張機能。
○Create Linkを使った手順
1.対象となるページをChromeで開いて『Create Link拡張機能』のアイコンをクリック、好きなフォーマットを選択
2.原稿の画面に移動してペースト
これだけです。マウスでボタンを押して、原稿にペーストするだけ。シンプルですしミスも発生しません。友達にメールやチャットでリンクを送りたい場合にも使えます。
また、この拡張機能は自分でコピペされるURLのフォーマットを設定できます。これが超便利なんすよね。
僕はいつも以下のような設定にしています。みなさんも自分の作業環境にあわせて設定してみてください。よく使うパターンを上の方に持ってくるとさらに効率がよくなります。(設定は拡張機能のオプションよりおこないます)
HTMLBlank
フォーマット: <a href=”%url%” target=”_blank”>%text%</a>\n
例:
<a href=”http://j.mp/lVs54r” target=”_blank”>豆知識共有サイト『まめち!』</a>HTMLNormal
フォーマット:<a href=”%url%”>%text%</a>\n
例:
<a href=”http://j.mp/lVs54r”>豆知識共有サイト『まめち!』</a>Text2Line
フォーマット: %text%\n%url%\n
例:
豆知識共有サイト『まめち!』
http://mamechi.jp/
タイトル+URLのコピペに関する拡張機能には、以下のようなものもあります。
□Copy Fixer
ウェブページを開き、テキスト選択をまったくしない状態で(開いたままの状態で)「Ctrl + C」を押すと、クリップボードにタイトルとURLが入ります。フォーマットは選べず、タイトルとURLのみのシンプルな形式のみです。ガジェ通トップページで「Ctrl + C」を押すと、
ガジェット通信
http://getnews.jp/
といった形でクリップボードに入ります。
□Copy Title+URL to clipboard
[Copy Title+URL to clipboard インストールページ]
シンプルだけど使いやすいURLコピペ系拡張機能です。タイトル部分とURLのセパレーターをオプションで選択できます。それ以上のカスタマイズはできませんが、それで十分という人はこれをインストールするだけで済むのでオススメです。
■スクリーンショット系の拡張機能たち
ウェブに関連する記事を執筆しているとスクリーンショットを撮る機会も増えます。注釈を入れたり、ボカシなどの加工が一括してでき、動作も軽快な拡張機能がでていますので、利用目的にあわせて選択してください。
□Awesome Screenshot
[Awesome Screenshot インストールページ]
ウェブ画面のスクリーンショットを撮ることができる拡張機能です。この拡張機能はユーザーの利用シーンを良く考えてつくられており、かなり使い勝手がよいです。(6月8日に発表されたバージョンで、スクリーンショットがとれなくなる不具合が発生していましたが、現在は修正バージョンが出て問題は解決しているようです)
ウェブライターとして欲しい機能は、以下のようなものだと思います。
・スクロールしなければならない縦長ページ全体のスクリーンショットを撮りたい
・スクリーンショットを撮った後に、注釈を入れたりボカシをかけたりといった、簡単な加工をおこないたい
・JPEG、PNG、GIFでの保存
これらの操作が軽快にできれば大満足です。『Awesome Screenshot』は上記のかなりの部分を実現してますが、保存形式はPNGのみとなっています。JPEG保存に対応しているスクリーンショット拡張にはこの後で紹介する『Webpage Screenshot』などがありますが、こちらはまだ未完成の部分があります。画像編集ツールである『Pixlr』を経由すればJPEG等のフォーマットにも対応できる拡張機能もありますが、やはり簡便さを考えればスクリーンショットツール自体が複数のフォーマットへの出力機能を備えていて欲しい気がします。そんなわけで、PNG出力のみという点がきになるものの、現時点で比較すれば『Awesome Screenshot』がおすすめです。
□Webpage Screenshot
[Webpage Screenshot インストールページ]
こちらはJPEG保存もできるスクリーンショット拡張。ただ、JPEG対応は記事執筆時点でまだベータ対応で、何故かファイルの拡張子がPNGになっちゃいます。中味は確かにJPEGなんですけども。その後、ファイル名が指定できるバージョンも出ましたけどフォルダ名の日本語が文字化けしてたりするので、もう少し待った方がいいかも。
次に紹介するのは高機能なペイントウェブアプリとの連携で柔軟な画像編集を可能とした拡張です。
□Pixlr Grabber – Screen capture/image grabbing
ウェブアプリとしてはトップクラスの高機能画像編集アプリ『Pixlr』との連携が可能なスクリーンショット拡張です。スクリーンショットを撮りたいウェブページでボタンをクリックし「今見えてる部分」「指定した範囲」「ページ全体」から撮影範囲を選びます。「ページ全体」を撮るときは、下に左右スクロールバーがでないようにページ横幅を調整しましょう(スクロールバーが出ていると、写りこんでしまうようです)。
□LightShot
起動するとまず画面が少々暗くなり、範囲指定をうながされます。範囲指定をおこなうと、スクリーンショットをどう扱うか、ボタンで指定します。ここまでの動作が非常に軽快です。「クリップボードへのコピー」「印刷」「アップロード」「編集(Pixlr連携)」「保存」から選択できます。保存形式は「PNG,JPEG,BMP」から選択可能。さらに「メール,Twitter,Facebook」経由での共有ボタンもあります。シンプルですが欲しい機能は網羅されています。
・非常に軽い
・JPEG保存可
・『Pixlr』との連携で画像編集を実現
・クリップボードへのコピーも可能
『Awesome Screenshot』との使い分けは、「スクロールしなければ見えない部分まで一括でスクリーンショットを撮るか」で決まるかと思います。また、僕自身は『Awesome Screenshot』の注釈編集機能(画像編集)がとても気に入っているので、注釈を入れるべきかどうかというところも使い分けポイントです。『Pixlr』は高機能なんですが、単純に赤丸つけるだけという作業をやるのにも準備が必要なのでそういう用途ではスピード感に欠けます。単に今見えてる画面だけパシャッと撮りたいんであればこの『LightShot』はかなりいけてると思います。
□Quick Markup: Screen capture & Brainstorm
スマートに注釈を入れるという点に注力した拡張機能。共同作業に向いてそう。
■ウェブ調査・サイト評価に役立つ拡張機能
今見ているサイトで人気のページはどこか、今見ているページの客観的な評価はどのようなものかを素早く知るためのツールや、調査のために沢山開いたタブを俯瞰するためのツールです。
□Twitter Pulse
訪問しているサイト内のTwitterリツイートランキングを表示できる拡張です。たまたま見ているニュースサイトの中で、人気のある記事が瞬時にわかります。それぞれの記事(ページ)のRT数を表示ランキングの集計期間は「今、24時間、7日間、1ヶ月、全集計期間」の中から選択できます。
□Clip to Evernote
「おのおので重複コピーを持たず、リンクを持つ」という考え方からすれば、ウェブサイトをEvernoteにクリップしまくるのはちょっと時代に逆行しているような気はしますが、調べ物のために一時的に保存し、あとでそれを参照しながら原稿を仕上げる、という使い方はめちゃ便利です。とにかく、調査しているときは「これいい」「関連あるよね」と思ったサイトはパシパシと調査用の「ノートブック」にクリップしていき、あとでその「ノートブック」を開いてじっくり見る、という形で作業をすすめると、とてもはかどります。原稿書き終わったら不要な「ノート」は消しちゃえばいいですしね。
□PageRank
Google PageRank,Alexa Rankなどを表示する拡張機能です。
□Hatena Bookmark GoogleChrome extension
[Hatena Bookmark GoogleChrome extension インストールページ]
現在のページのはてなブックマーク数を表示。ブックマークもできます。
■閲覧高速化
□gPDF
PDFファイルへのリンクを自動的にGoogleドキュメントで開く形に変更して、PDFファイルを開きやすくします。
□AutoPager Chrome
自動的に改ページしてくれる拡張機能です。改ページボタンを押さなくて済むとこんなに楽だったのかと気づきます。使ったことない人はぜひ。
TooManyTabs for Chrome
[TooManyTabs for Chrome インストールページ]
タブを沢山開くと、タブに書いてあるページタイトルがだんだん見えなくなってきて、さらにタブが増えるとついにはページのアイコンも見えなくなり、なんのタブだかさっぱりわからなくなります。この拡張機能を使えば、タブの名前をわかりやすく一覧できます。名前や作成時間順、URLでの並べ替えも可能。さらにタブをサスペンド(一時停止)状態にしたり、一度閉じたタブを復活させたりすることができます。
■共有関連の拡張機能
□Diigo Bookmark, Archive, Highlight & Sticky-Note
[Diigo Bookmark, Archive, Highlight & Sticky-Note インストールページ]
オンラインブックマーク、ウェブサイト上のテキストへのマーカーを使った色付け、付箋メモづけ、TwitterやFacebookでのサイトの共有などができる拡張機能。
□Shareaholic
あらゆる共有サービスに対応した一発共有拡張機能。あらかじめ必要な共有サービスをオプションから選んでおき、ワンクリックでリスト表示、そこから共有ができます。さらにそのページの短縮URLも自動的に生成。こと共有に関してはShareholicがあればかなり楽になります。ちなみに「はてなブックマーク」はアルファベットで「Hatena」というサービス名になってますので、オプションから検索して探しましょう。
□Taberareloo
Taberareloo(タベラレルー)は、複数の共有サービスを使っている人にとって便利な拡張機能です。あらかじめどのサービスを使うか決めておいて、ショートカットキーで共有開始。画面上のどの部分を共有するか決めた後、共有画面からポストします。例えばカーソルがページ上の画像の上に乗っている状態でショートカットキーを押すと、画像を共有するかどうかきいてくるなど、状況によって適切な動作をしてくれるのが便利。また、共有先もその場その場で変更可能です。
□bit.ly
bit.lyを使って短縮リンクを共有できます。
□goo.gl URL Shortener
[goo.gl URL Shortener インストールページ]
こちらはgool.glを使ってのURL短縮。
■ちょいメモ関連
□Scratchpad Clip
選択中のテキストをそのままメモに反映できるウェブクリップ機能がついています。メモにタグづけができます。
□Chrome Pad
とにかく軽い。見た目はシンプルですが、ちょっとメモをとるというだけであれば十分。メモ中に閲覧中ページのタイトルやURLの貼りつけができ、そのままツイートできます。
□NoteBook Professional
[NoteBook Professional インストールページ]
『Chrome Pad』より少しリッチな簡易エディタです。ちょっと書き用のHTMLエディタとして使えます。画像挿入もできます(正確にいうと、すでにUPしてある画像URLの挿入)。複数のメモをつくることができるのがいいですね。ただし、メモをTwitterやFacebookで共有する機能はありません。そこらへん、シンプルなテキスト編集に徹して共有ポストもできる『Chrome Pad』との方向性の違いといえます。
■ブログエディタ
CMSがブログ投稿プロトコルに対応していれば、ブログエディタを使って直接投稿ができます。そういうとき役立つ拡張機能。
□ScribeFire
ウェブアプリ型のブログエディタです。ブログを書いている人はもちろんのこと、ニュースサイトでもブログシステムをベースとしたものが多いですから、原稿のアイデアが浮かんだ時点でこれをサクッと立ち上げて下書きをし、サーバーに草稿としてポストしておく、という使い方も可能です。尚、ブログ用として最も普及しているCMS「WordPress」では「Atom 投稿プロトコル」「XML-RPC投稿プロトコル」(これら外部投稿システムを使うためのやりとりの仕組み)は、デフォルトでOFFになっていることが多いですから、システム管理者におねだりしてONにしてもらいましょう。
■ちょい便利系
□My Shortcuts
Googleの各種サービスへ別タブを開いてジャンプできます。作業環境のブラウザシフトをおこなうとGoogleの各種ウェブツールへのアクセスも増えます。他のウェブアプリも設定できますので、よく使うウェブアプリをここに登録しておいてアプリランチャーとして使えば、時間の無駄を省くことができます。Googleのサービスでも「Googleグループ」などは登録されていませんので、自分で設定する必要があります。
□Word Count
選択したテキストの文字数を数えます。文字数チェックに。
□Bibliwo
[Bibliwo インストールページ]
オンライン書店から図書館の蔵書を横断検索します。 Amazon.co.jp, bk1, 楽天, ブックオフ, Yahoo, j-bookなどのいわゆるオンライン書店サイトのページを開いたときに、そのページの本が最寄り図書館にあるかどうかを調査できます。調べ物にすごく便利です。
□Xmarks Bookmark Sync
[Xmarks Bookmark Sync インストールページ]
Chromeのブックマークを同期できます。ソーシャルブックマークとはまた違って、自分自身が使っているPCのブックマークを同期できるのでたいへん重宝します。
ウェブアプリ
便利なウェブアプリもいくつか紹介しておきます。Chromeウェブストアができたことによって、ウェブアプリも充実してきています。文章を書く、画像処理する、簡単な図を描くといった基本的な作業であれば、ウェブアプリだけでも十分こなせるようになっています。
□Quick Note
エディタです。動作も軽快。
Cacoo
図を描いて公開したり共有したりできるウェブアプリ。無料で25枚まで図面をつくれます。いわゆる「Visio系」と言えばピンと来る人も多いと思います。組織図やフローチャート、オフィスの配置図、さらにはサイトマップやワイアフレームなどを描き、共有ができるのです。この系統のソフトは、これまでそれなりに高価なものしかなかったわけですが無料のウェブアプリとしてサクサク使えるのはちょっと感動です。
Pixlr
画像を修正したりお絵かきができるウェブアプリ。スクリーンショットの拡張機能でこのウェブアプリと連携しているものもいくつかあったが、いわゆるペイントソフトの基本的な機能はきちんと備えており、使いやすい。
Evernote Web
ウェブアプリとしてのEvernoteは、言ってみれば「いつでもネット上にある、持ち運ぶ必要がないノート」。ログインして同期をとりながら執筆すれば常に最新の状態の原稿がそこにあります。これは非常に便利です。また、ウェブアプリとしてのEvernoteは完成度が非常に高く、たまに挙動のおかしかったクライアント版と比べても見劣りしないどころか、ひょっとするとこっちの方が便利かもしれません。僕も最近はウェブアプリ版のEvernoteで原稿執筆する事が多いです。
IM+
統合チャット・メッセンジャーツール。環境によってさまざまだとは思いますが、作業をおこなう上でチャット・メッセンジャーが欠かせないという方も増えてきていると思います。ウェブアプリでチャットがどの程度使えるのか、このウェブアプリで試してみてください。かなりいけてると思います。この『IM+』は以下のサービスに対応しています。
・MSN ライブメッセンジャー
・Skype
・Yahoo! メッセンジャー
・AIM
・MySpace
・ICQ
・Google トーク
・Jabber
・MySpace
このツールについて詳しくは先日別の記事で書きましたので、そちらを参考にしてみてください( http://getnews.jp/archives/119479 [リンク])。
以上、「ウェブ執筆者におくるChrome拡張機能+ウェブアプリ厳選33」でした。ウェブアプリに関しては後日改めて違った角度から紹介したいと思ってます。また、「こんな便利な拡張機能・ウェブアプリ知ってる!」という方はコメント欄で情報提供お願いします。というわけで、それではまた!