最近では、テレビ出演など責任のあるお仕事も増え、膵臓の調子を整えつつ頑張っている特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。
裏業界の記事ばかり書いていまして、入院グルメの更新が滞っていました。
これは、地獄の絶食期間を過ぎ、重湯をなんとかうまく食えた膵炎グルメに目覚めた僕のお話です。
段々と柔らかいご飯の上澄みから、米粒が点々と登場しはじめました。病院の過ごし方も徐々にわかってきた僕の元には、さらなるご馳走メニュー(入院当時の幻覚)が出てきます!※よろしければ過去記事をお読みください!
ヒマつぶしに四苦八苦
入院すると、一時は気が楽になりますが、正直原稿を書く以外にやることがありません。
せめて、Amazonプライムでチェックしていない映画や『孤独のグルメ』、僕の映画にも出てくれていた武田梨奈ちゃんの『ワカコ酒』を観るくらいです。
痛みも治まり、病状は安定しはじめましたので、担当の先生には本当に感謝ですし、
ずっと突っ走ってきたので、いい休息にはなりました。
「では、先生、そろそろ退院ということで……」
「う~ん、まだアミラーゼの値も正常には戻ってないので、絶対安静ということになりますよね」
「えっ、急性膵炎ってそんなに大変な病気なんですか?」
数々のお笑い芸人の皆さんが緊急入院する急性膵炎というのは、なんと非常に危険な病気らしいんですね。
膵臓に腫れの症状が出て、簡単に回復する軽症なものから、敗血症や多臓器不全などを起こし、心臓や肺、腎臓など大切な臓器に著しく障害を受けるような、死に至る病気。重症の程度は様々で、入院し、そのまま帰らぬ人になってしまうものだというのです。現在の医療技術が発達して、死亡率というのはかなり下がってきているのですが、重篤な症状が出ないうちに早期発見、早期治療が重要になります。
「そんなに大変な病気なんですか」
「そうです。丸野さん、ここで治しておかないと今後のお仕事にかなりの影響が出ますよ」
はい、すいません……。二度と退院したいなんて言いません。
担当のI先生とM先生には足を向けて眠れません……。
空腹を満たしてくれる給食調理員さんに感謝
重湯が二分粥に変わり、それが五分粥に……。
ここまでなると、ちゃんと米粒の味を感じられるようになり、副菜も充実してきます。
メニュー:五分粥、タラのみぞれ煮、里芋煮オクラあんかけ、白菜の昆布漬け、かぼちゃのペースト
タラは舌の上でホロリと崩れる柔らかさ。謎のオクラあんが余計な味わいの里芋煮が玉にキズ。
メニュー:五分粥、鶏むね肉のカレー風味焼き、もやしナムル、マカロニサラダ、みかん
脂を極端に落とすメニュー勢ぞろいなのでパサつく鶏むね肉。でもこれはこれでおつまみみたいで美味しい。マカロニサラダは味がぼんやり、もやしナムルは意外にしっかり味。
塩分の制限がないので、糖尿病食とは違うしっかりした味付けがいいんですね。胃が小さくなっているから、すぐに満腹になります。
膵炎患者はお菓子も制限
ちなみに口淋しい夜に膵炎患者が食べられるお菓子というのは、
・せんべい
・飴
・三食団子
・エイセイボーロ
・落雁
などなどの和菓子です。うん、淋しいものですね。
にしてもやることがないので、ひとりでオセロをやってみて、4分で飽きる。
病院の夜は気が遠くなるほど、長いのです……。
なんとハンバーグ登場!
朝6時に目覚めて、夕方まで仕事。そして長い夜がやってくる。
朝6時に目覚めて、執筆をしていると誰かがお見舞いに来る、そしてまた長い夜がやってくる。
2週間以上という入院の中で、毎日同じことの繰り返し。楽しみはといえば、日々カロリーとボリュームが変化する入院食と入浴。
時折外出しなければいけない仕事などは、点滴を外して、2~3時間で病院に戻ってくるといった感じ。
もちろん、外出先では水など以外は口にすることができないので、それが非常につらいんです。
そこにやってきたのは、待ち望んでいた七分粥。
メニュー:七分粥、サワラソテー、鶏と野菜の旨煮、青菜ときのこのあんかけ
このあんかけがなぜ付いてくるのかが謎なんですが、それよりも主食の七分粥を噛みしめたときの、米本来の甘みがたまらんのです!
「ウマ、ウマ、ウマ!」とソッコーで平らげてしまいました、色合いがあまりよろしくないですが……。
メニュー:七分粥、チキンハンバーグ、ジャガイモと人参のポトフ、茹でアスパラ、黄桃缶詰
な、なんとここで真打登場! 脂分をここぞとばかりにそぎ落とした鶏肉のパサパサ破壊力。口の中で失われる水分を七分粥が万全のフォロー体制でサポートしてくれる。しかしまぁ、よくぞ工夫してくれて、こういった料理を食べさせてくれる! 本当にすごいっす!
退院してから普通の食事が喉を通らない
大量に輸液を流し込んでいた点滴も取れた退院日前日。
このときに、恐ろしいほどの欲求に襲われました。もっと食べたい、大好きなお肉や刺身が食べたい。
しかし、退院してよくわかりました。
なんと薄味、脂質を抑えた食事しか喉を通らなくなっていたのです。
体調を本来のものに戻してくれた病院に感謝、退院後の食事を作ってくれる妻に本当に感謝です。
こんなバカの僕ですいません。今後は体調管理に努めます。
(C)写真AC