火星探査機『インサイト』が、地球から遥か7528万キロ離れた火星から、体力の限界を示すデータを送信してきたようだ。『インサイト』の公式Twitterには、「もう体力の限界」「今まで私と一緒にいてくれてありがとう」とのメッセージが投稿され、人類に最後のお別れの言葉を送っている。
火星で孤独に調査作業『インサイト』
『インサイト』は、アメリカ航空宇宙局(NASA)によって誕生し、2018年5月5日に地球から旅立ち、2018年11月26日に火星に到達。エリシウム平原と呼ばれる地域に着陸し、孤独に調査作業を行っていた。
<インサイト公式Twitterより>
「私の体力がかなり落ちているので、これが送れる最後の画像になるかもしれません。でも私のことは心配しないでください。私のここでの時間は、生産的で穏やかなものでした。まだミッションチームと話し続けることができればそうしますが、もうすぐ通信は途切れるでしょう。私と一緒にいてくれてありがとう」(自動翻訳 / 要約)
My power’s really low, so this may be the last image I can send. Don’t worry about me though: my time here has been both productive and serene. If I can keep talking to my mission team, I will – but I’ll be signing off here soon. Thanks for staying with me. pic.twitter.com/wkYKww15kQ
— NASA InSight (@NASAInSight) December 19, 2022
I’m getting close to the end here, due to dust gathering on my solar panels, making it hard to generate power. People often ask: don’t I have a way to dust myself off (wiper, blower, etc.)? It’s a fair question, and the short answer is this: (🧵) pic.twitter.com/fbFjj4AXf3
— NASA InSight (@NASAInSight) November 10, 2022
A system like that would have added cost, mass, and complexity. The simplest, most cost-effective way to meet my goals was to bring solar panels big enough to power my whole mission – which they did (and then some!). pic.twitter.com/J4bZwgCHCY
— NASA InSight (@NASAInSight) November 10, 2022
NASA「そろそろ終わりに近づいています」
『インサイト』は太陽光をエネルギーとして稼働してきました。しかし、太陽光を集めるためのソーラーパネルに砂がかぶってしまい、じょじょに集められる太陽光が減り、エネルギー低下を招いたようです。NASAは「ソーラーパネルにほこりがたまり発電が困難なため、そろそろ終わりに近づいています」とコメントしています。
予定の計画よりもはるかに多くの成果
ソーラーパネルに積もった砂をはらうことはできないの? との質問が多数寄せられているようですが、技術的に難しいようです。ですが、『インサイト』は予定の計画よりもはるかに多くの成果を生んだといわれています。じゅうぶんすぎるくらい活躍したといえるでしょう。
『インサイト』に敬意を表したい
たとえ人でなくとも、お別れというものはさびしいものです。地球から遥か彼方の惑星で孤独に調査を進め、人生をまっとうしようとしている『インサイト』に敬意を表したい。そんな気持ちの人も少なくないのではないでしょうか。
ちなみに、ロボットや機械が人類のために役目を果たしたり、犠牲となって機能を停止する物語は『ターミネーター』や『レイフォース』『ネメシス/S.T.X』など複数存在します。
※記事画像は『インサイト』公式Twitterより