色々と余裕が無くなって来ているのかもしれない。
現在施設で看取りを行おうとしたら、設備、人員共に余裕が無いと難しい事を一貫して書いている。
実際に僕が看取りに居合わせたのが前回つづった時のみで、あれから20年近くなるが、少なくとも僕のいる施設では一度も行われていない。
現状で、施設で人が逝く時の手順とはどの様な物か、今回はその辺りの話を。
例えば、容態が思わしくなく、そろそろ危ないのではと見られる入所者が居た場合、まず病院と相談、連絡を取り合い、ある程度まで施設で様子を見て、施設での対応がこれ以上は困難と判断されたら入院させて貰うのだ。
そうして、容態が持ち直せば退院するが、永くないと判断されれば、病院で最後を看取って貰う形になる事が現場では多いのではないだろうか。
こうしたやり取りと言うか現状を書くと、「冷たいのでは?」とのイメージを受ける方も少なからずいると思う。
同じ施設に関わったのだから、最後まで面倒を見てあげたいと言うのが、現場の偽らざる本音だ。
だがその一方で施設は多くの人が日々の生活を送る場でもある。
そうした普通の日常も送れる様にするのも、現場にいる者の大事な勤めだ。
永くない人の看取りに比重を置いて明日も生きていく人たちに尽くせないのでは、それは本末転倒だろう。
永くない人が安らかに逝ける様に考えるならば、設備、人員共に充実した所で見て貰えれば、それに超した事はない。
安らかに最後の時を迎えてもらう為に病院への協力を求めると書けば理解していただけるだろうか。
こうして、故人の逝去が確認された時、身内がいるならば、その人に後の対応を頼むのだが、故人に身内、保証人がいない、もしくはいても諸事情で引き取りが難しい場合に施設で最後まで対応を行う。
実際、そうして故人を病院まで引取りに行った事も何回かある。
この故人が逝ったとの連絡を病院から受けるのは、電話の項でも多少書いたが、何年経っても慣れない。
次回はその施設で迎える故人との別れについて色々と。
人生の結末(3)~福祉施設のある日の光景
by サイキッカー
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社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー) 介護福祉士の介護三大資格を修得。 敷居の高い、未だに謎のベールに包まれている介護、福祉の世界を身近でわかりやすく伝えたいです。 熱く武道、特撮も語れる空手家でもあります。
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