就活生が暑い日でもリクルートスーツを着るのは、彼ら・彼女らが採用担当者・面接官を「ただの嘘つき」だと思っているからではないか

  by lingmu1226  Tags :  

twitterのタイムラインを眺めていたところ、「このクソ暑い中、スーツにネクタイ締めてる就活生を見た。正直、面接する側はアホなんじゃないかと思う。配慮が足らなすぎるよなぁ」、「この前の合同説明会で、参加してた就活生の98%は上着着てましたね。最高30℃にもかかわらず。あれは今思い出しても吐き気がしますorz 僕?クールビズでしたよ」というツイートを見にした。僕も道を歩いていて、暑い中上着を着て歩いている就活生を目にしたことが何度かあったので、これらのツイートには共感できた。

 

一 方でこれらのツイートをリツイートしたところ、フォロワーの方から「でも、面接の場で”クールビズ”とか”私服”と指定しても、誰も着てこない現実。極端な例だけど、面接試験の事前指示に”スーツ禁止”って書いても、みんなスーツを着てくる」というリプライを頂いた。実際にレジェンダ・コーポレーションの 調査でも「”クールビズで選考にお越しください”と言われた時、どのような格好で参加します(した)かと聞くと、”スーツ着用”が56.3%と”クールビズ”の43.7%を上回った」という結果が出ている 。もしかすると「企業はちゃんと”クールビズで良いですよ”とアナウンスしている。それでも、就活生が勝手にスーツを着てくるんだから、就活生が勝手に自分で自分を苦しめているだけ」と感じる人も多いかもしれない。

 

しかし、なぜ就活生が企業のアナウンスに従わずにわざわざリクルートスーツを着るのか、その理由を掘り下げて考えてみるべきだと思う。僕の考えは、就活生が採用担当者・面接官を「ただの嘘つき」だと思っているからではないかというものだ。

 

採用担当者・面接官がウソをつくことは就活において珍しくない。例えば、リクルーター面接。リクルーター面接では社員の人と就活生が一緒に喫茶店にでも 行って話をするという類の選考だが、そこでは大概「これは選考とは全く関係なくて、私たちの会社をより深く理解してもらうためのものですので、リラックスしてくださいね!」という言葉をかけられる。でも実際には、社員との面談後、次の連絡が来る人と来ない人に分かれるのは大概の就活経験者は知っている。面接官にしても「一 緒に働きたい」「君みたいな人がこの会社に合っているんだ」など、あたかも面接に通す気満々かのような発言をした挙句に落としてくる人もいる。

 

また、僕はブログを書いているが、ブログの読者の方が「合同説明会では、9時から18時の勤務時間という求人票を出していましたが、個別説明会の時に、月40時間の残業を手当てとして基本給に追加している、忙しい時期は、退社が21時22時になることも当たり前であることを知らされました」というエピソードを教えてくださることもある。企業が就活生にウソをつくケースは枚挙に暇がない。

 

誤解しないで欲しいが、「採用担当者・面接官は、就活生に一切ウソをつくべきではない」と主張したいわけではない。しかし、「ウソをついている採用担当者・面接官は少なくないんだから、就活生が彼ら・彼女 らの言葉を信頼しなくなるのも無理は無い」とは主張したい。

 

現在、就活生は企業に対して「”クールビズでOK”と言いながらも、実際に着てきたら落とすんだろ」という疑心を向け、企業は就活生に「”クールビズで OK”と 言っているのにリクルートスーツを着てきて、その挙句に企業に文句を言ってくるなんて」と戸惑い、非常に無駄ないがみ合いが生じてしまっている。このいがみ合いを解消するために、まずは「就活生が暑い日でもリクルートスーツを着る背景は就活生の企業に対する不信感があって、その不信感は企業自身が生み出している」という認識が共有されることが必要だと思っている。

主に大学新卒の就活の問題点を取り上げていきます。日本の就活の問題点を指摘することで「シューカツにおける絶望」を一つ一つ潰していきたいです。

Twitter: lingmu1226