スマートモバイルコミュニケーションズは、新サービス「THE WiFi」のリリースを記念して「THE WiFi」 ど“スゴイ”メディア発表会を開催した。新CMに出演する加藤浩次さんがゲストとして出席し、同社の鳥越洋輔社長と加藤さんによる「THE WiFi」の機能に関するど “スゴイ”トークセッションが行われた。
発表会の概要と、サービスを実際に試用したレビューを合わせてレポートする。また、昨今の社会情勢に鑑みた法人向け緊急サービスも発表されたので合わせてご覧いただきたい。
まずは本サービスの概要を説明する。(料金表示はすべて税抜き・ユニバーサル料金別・最低利用期間は2年・25か月以降は解約事務手数料はなし)
プランは2つとシンプルだ。【THE WiFi】は最大3ヵ月間:月額3,480円で1か月目は日割り、4ヵ月目以降は月額3,842円のスライド制料金だが、全国15万か所以上の公衆WiFiスポットを利用可能だ。【THE WiFi ライト】は月額3,480円の据え置き料金だがWiFiスポットの利用はできない。つまり利用料金だけで、端末そのもののレンタル料金は無料というわけだ。では5つの特徴を記す。
まず、データ通信容量は無制限で基本的には速度制限もない。ストリーミングも安心して使えるが、ネットワークを継続的かつ著しく大量に占有する通信をする場合は速度や通信量を制限することがあるとのこと。しかし通常の使用であれば通信量を気にする必要はない。
次に、ネットワークは国内の3大通信キャリアのすべて(NTTドコモ/au/ソフトバンク)のLTEエリアに対応しているので、移動先でつながるキャリアを自動選択してキャリアによる圏外の盲点を極力なくすことに成功している。要は3大キャリアのいずれかの電波がつかめれば通信可能というわけだ。
前述の通りライトプランでなければ、15万ヶ所以上の公衆WiFiスポットが利用できるので、肝心のルーターバッテリー切れやルーターの持ち出し忘れでも何とかなる機会が多くなる。スマホには接続アプリが用意されているので、インストールしておけばいいだろう。
実はこのルーターは、クラウドSIMの技術を採用しておりワールドワイド仕様である。したがって同社が保有する国のSIMのサービス圏内(サービス開始時現在は132か国)であれば海外でも手続きなしでそのまま使用することができる。もっとも海外での利用は別途料金が必要だが、非常にシンプルで東南アジアと一部の国(韓国/台湾/香港 等)では1GBあたり日額850円、その他の国は同条件で1250円だ。なお、海外利用料金は非課税で、1日当たりの最大容量は3GBまで。1日の基準時刻はUTCなので、日本時間で午前9時が区切りとなる。
最後に今後の予定として5Gに対応でき次第、アップグレードプログラムを提供予定だ。基本的には端末を切り替えるのに機種変更切り替え手数料(3000円)以外の追加の費用はかからない予定とのことだが、条件によりこれも免除するプログラムを提供予定とのこと。
同社の代表取締役社長 鳥越洋輔氏と加藤さんとのトークセッションは、CM撮影秘話に進む。顔だけ撮影するにもかかわらず、監督が力士の所作を要求し、本当にすり足をしたり腰を落としたりと、なかなか苦労があったようだ。
また、昨今の新型コロナウイルスの流行により在宅勤務やテレワークという勤務形態が広がっていることに鑑み、同社では3月中に法人2年契約をする場合に限り、最大2か月の利用料金と事務手数料までも無料にすることにより支援する。
これにより、学校が休校になり子供がいる家庭でも会社がテレワークを採用すればかなりの費用を抑えて、在宅勤務が可能になる。容量無制限なのでテレビ電話会議やファイルの送受信、ファイルの共有作業も通信容量を気にせずに行えるだろう。
誰もが不便を強いられるが感染を抑え込み国民の生命を守るためには仕方のない政策なので、こうした民間のサービスも社会貢献の一つの例として特筆すべきものだろう。
さて、同社のサービスの主役であるルーターはディスプレイのないシンプルなつくりである。
WiFiランプ、通信ランプ、バッテリーランプと4つのインジケーターで動作の表示をする。充電はマイクロUSBで行う。
電源を入れれば最適なキャリアを選択して同社のサーバーから対応するSIMデータをダウンロードして通信が可能になる。利用者は特に何もすることはなく電源を入れて通信可能になるWiFiランプが点灯するのを待つだけだ。
スマホでもタブレットでもPCでも最大5台まで同時接続ができるので、通常はこれで十分だろう。
特に設定は必要なくそのまま利用できるが、必要な場合はブラウザで本機にアクセスして行うことも可能だ。
海外での試用はしていないが、基本的にはサービス可能国であればそのまま電源を入れれば接続可能で、国境を越えても自動的に同社が保有するSIMを選択して接続できる。
また同社のサービスではないので保証の限りではないが、記者が見たところ本機の仕様として2枚の物理的なSIMを装着可能なのでサービスエリア外の国では現地でデータ用プリペイドSIMを購入して本機をルーターとして使用することもできそうだ。
肝心の通信速度だが、何回か計測してみたところ上り下りで差異はなく、鉄筋コンクリートの部屋の中で時間帯にもよるが12Mbpsから35Mbps程度であった。WiFiとしては標準的から比較的高速の部類に入るのではないだろうか。記者のように取材時の写真や動画をアップロードする方が多い職業では不満はなかった。ストリーミング再生ではYouTubeの1080p60fpsの再生で切れることはなかった。
それぞれのサービスは特に珍しいものではないが、全部の特徴を網羅しているサービス会社は聞いたことがないので、パワーユーザーも法人向けにも、またよく海外にそれも複数の国に渡航される方にも良い選択ではないだろうか。
※写真はすべて記者撮影