先日、日本の液晶ディスプレイ業界でトップのシェアを誇るジャパンディスプレイの発表会が開催され、そちらに足を運んできました。
これまでジャパンディスプレイでは企業向けの製品展開を続けてきましたが、今後は消費者向けの製品を多数展開していく方針とのこと。発表会の会場には次世代のディスプレイがズラリと並び、これらの製品が商品化される未来を想像すると非常にワクワクしてきました。今回はその一部を紹介させていただきます。
ドラゴンボールのスカウターが現実化? ヘルメットに装着するディスプレイ
こちらはヘルメットに装着する高透過のカラーディスプレイで、1/1000秒を競うスーパーフォーミュラのレースでドライバーが視線移動をせずに必要な情報を確認できるというもの。
装着した際のイメージはこんな感じ。透過されるディスプレイ越しにデータが入ってくるのは、まるでドラゴンボールのスカウターのよう。ついに時代がドラゴンボールに追いついてきたのか……!!
もちろんモータースポーツのみならず、ウインタースポーツやさまざまなシーンにも応用可能。自分の視界にコースや速度が表示されるようになれば、ゲームのような感覚でスポーツを楽しめるようになるのかも。
激薄! カード型ディスプレイ
一見普通のIDカードのように見えるこちらもなんとディスプレイ。写真や名前が表示されている部分がディスプレイになっていて、その周囲は太陽電池という仕様です。
一般的なカードと薄さも変わらず、消費電力は6μW(マイクロワット)以下と超低消費電力となっているため、通常のカードと同じような感覚で使用できそう。これが実用化されれば複数のカードを集約させることも可能に。カードって何かとかさばりますからねえ。
近未来の自動車はこうなる? 車載用ディスプレイ
将来自動車は電気自動車が主流になったり、自動運転が導入されたりすることが予想されていますが、車内にもタッチパネル式のディスプレイが設置されればデザインが一気にスタイリッシュに!
大型のタッチパネルで操作できれば運転中にできることも広がりそうですね。
映像と連動して香りが出るインテリア用ディスプレイ
続いてはインテリア用のディスプレイ『紡ぎシリーズ』。ディスプレイでは映像が流れているのですが、なんとその映像と連動して周囲に香りが漂ってくるという斬新なものになっています。
こちらも同じシリーズで、陶器のインテリアとコラボレーション。中央のディスプレイで花が開くたびに、周囲に花の香りがふわりと広がります。リラクゼーション系のお店やホテルのエントランスなど、ゆっくりくつろぐ空間に設置されていると癒やされそう……。
楽曲と連動して立体映像が動くディスプレイ・スピーカー
こちらは2019年にクラウドファンディングが実施される予定となっているディスプレイ・スピーカーで、楽曲と連動して2.5次元の立体映像を動かすことができます。筐体の内部空間で小さな人物が実際に踊っているように見える、VRに近い感覚をこのディスプレイ単体で味わえるのは面白そう。振り付けありきの音楽とすごく相性が良さそうな印象を受けました。DA PUMPの『U.S.A』とか。
すでに実装化がスタート! 自立電源のスマートバス停
すでに北九州市での実証実験を済ませ、今後徐々に拡大することになっているのがこちらのスマートバス停。バスの位置や見やすい路線図を表示できるスマートバス停は非常に便利ですし、実際に都市圏では導入されているのを見たことがある方も多いのでは。
しかしスマートバス停を本当に必要としているのは一日に数本しかバスが来ない地方なのです。次のバスは数時間後なのに、バスの着時間を過ぎても一向にバスが来ないときは本当に焦ってしまいますからね。ところがスマートバス停を設置するには電源の確保が不可欠なため、地方になるほどスマートバス停を導入しにくい状況となっていました。
今回ジャパンディスプレイが導入を進めているスマートバス停はディスプレイの消費電力を大幅に削減。従来品の消費電力が200Wだったのに対し、なんと0.3Wまで削減することに成功したため、太陽光発電パネルによる電力で運用することができるようになったのです。これは素晴らしい……。
近未来の生活が大きく変わりそうな予感のするディスプレイ
会場には他にもたくさんの近未来的なディスプレイが展示されていました。
これらがすべて実用化されたとき、私たちの生活はさらに便利で豊かなものになっていくのではないでしょうか。今からとても楽しみですな!