海外旅行にもっていく荷物は概して多くなる。しかし旅慣れた人ほど荷物は少ないともいう。
現地調達できるものは日本から持って行かないのが基本だろう。
しかし、人によってはこだわりのアイテムもあるはずで、そうそう軽くすることは難しい。
そこで記者が海外旅行に持っていくと便利だろうと思われるアイテムをセレクトして実際に海外に行ってみた第6弾。読者の皆様の旅行スタイルに合わせて参考にしていただきたい。
海外旅行アイテムの第6弾は再び香港でレポートする。ただし、今回のアイテムで実際にモノがあるのは1つだけ。残りは日本に置いてきたか無形のサービスだ。
そのために、まずは動画でご覧いただこう。今回の動画は360度VR動画だ。ブラウザやスマホアプリでご覧の場合は画面をグリグリしていただくと全天球を見渡すことができるほか、VRゴーグルをお持ちの場合はYouTubeアプリを起動してVRモードボタンを押してからスマホをセットするとご自身の顔を向けた方向の景色を見ることができるので試していただきたい。この360度全天球カメラも今回のアイテムにかかわっているので合わせてご覧いただきたい。
■【360度VR】海外旅行便利アイテム 再び香港編
https://youtu.be/iHZNQKF-xi0
Rentio
動画でご覧いただいた通り360度全天球カメラはRentio(レンティオ)というレンタルサービスを利用して借りたものだ。
実は全天球カメラというのは実に多くの種類があり、手にしたことのない記者には未知の領域で、選択肢が多すぎて何を選べばよいのかも分からなかった。
同社ではメールや電話はもちろんのことチャットでの相談もできるので、記者の場合は実際の想定使用シーンを伝えて最適なカメラを提案してもらった。
一時期にしか使わないものを借りるのはレンタカーと同じ感覚ではあるが、実は購入を考えている前に自分が想定するシーンで使ってみるという利用方法もある。欲しいものが高額であればあるほどこのメリットは大きい。
会員登録してもしなくても気軽に手続きが完了してレンタルすることができる。身分証明書等は不要である。つまり、書面での手続きは一切なく、ウェブ上で注文から支払いまでのすべてが完結する。
注文と同時にメールで確認が届き商品の在庫があればすぐに届けられる。この箱には封緘シールが同梱されており返却の際に再利用できるように工夫されている。つまり返却後には箱すら残らず、ごみを出さないエコな仕組みだ。
往復の送料は無料なのも余計な費用が掛からないのでうれしい。
今回は本体と純正のマイクも同時に借りたので2つの商品が届いた。
このカメラで収録したのがご覧いただいたレビュー動画である。
なお自分のものではないレンタル品であれば取扱いに注意を要するのはもちろんのことだが、万が一の落下や水没の事故については上限2000円の修理費で済むので、思いっきり楽しむことができるのも充実した同サービスの特徴だろう。動画でも紹介したが、一部の製品についてレンタル品をそのまま買い取りできるサービスも魅力の一つだ。
個人のブログ用として収録したもので恐縮ではあるが、香港島と九龍半島を結ぶ人気のスターフェリーと、地元の足で観光客はあまり乗らないファーストフェリーの360度VR動画をご覧ただこう。記者は今回の取材で、全天球カメラの魅力がよくわかり自分に合った製品を購入しようと本気で考えているほどだ。未知の領域でも気軽にレンタルでチャレンジできるのも魅力だろう。
■VLOG 100 360度VR 香港出張08
https://youtu.be/JL-q-3YfPZU
ランドリーラボ メッシュバッグ
今回、唯一のモノがあるアイテムだ。まさに旅行便利グッズなのだが、普段使いでももちろん大活躍のランドリーバッグだ。
株式会社サブヒロモリが展開する「ランドリーラボ」ブランドのランドリーバッグだが、すべてがメッシュ仕様なので洗濯物の持ち運びのみではなく、そのまま洗濯ができるのも特徴だ。記者が使用したサイズはLとMで色は白とネイビー。
中には白いメッシュの仕切りがあり、小さい洗濯物たとえば靴下等の仕分けに便利。
外側のメッシュの生地は厚いので柔らかく中はほとんど見えない。よって本来的な使い方のほか通常のバッグとして今回はカメラ等の機材を入れて持ち歩いた。また、エコバッグとしてリュックの中に入れておけば思わぬ掘り出し物等の買い物で荷物が一時的に増えても宿泊先まで安心して持ち運ぶことができる。
本来の使用目的がランドリーバッグなのでファスナーが付いており、そのファスナーの持ち手部分の金属部分が洗濯機に触れないように本体側にカバーが付いている。よって海外旅行時にはこれが防犯機能に早変わりする。もっともナイフで切り裂かれる等の被害には無力だが、少なくともファスナーの持ち手が見えないという開けにくい構造は抑止力としては十分だろう。貴重品を入れるではないにしろ、日本では何でもないスマホでも海外では盗難品で狙われるトップであることも多い。簡単に開けられるハンドバッグよりは防犯性は高いと言えよう。バッグインバッグという使用方法も有効と思われる。
タウンWiFi
本シリーズ初登場のスマホアプリだ。日本では街中のフリーWi-Fiをスマホ単体で気軽に利用することができる。
しかし海外ではそうはいかない。パスワードをお店のレジで発行してもらったり、電話番号が必要でSMSで認証が必要だったりと様々だ。しかも日本語でのログイン画面はほとんどなく少なくとも英語での対応となる。
タウンWiFiは無料のアプリで多くの国でフリーWi-Fiに自動的に接続してくれる便利なアプリだ。写真のように街中を歩いただけでもあることすら知らない多くのフリーWi-Fiに接続していた履歴がわかる。VPN機能もあるのでセキュリティ面でもある程度安心して使用することができる。
どのスポットでそれくらいの通信をしたのかも記録に残るので、通信履歴と合わせれば旅の履歴にもなる。
通信量の多いカフェではお茶を飲みながら撮影した写真をクラウドに同期していたとか、銀行のWi-Fiでは付近の検索を地図アプリで行ったとか、そういった行動を思い出す手助けにもなるのはうれしい副産物だ。
なお、今回行った香港でもマカオでも利用できるが、中国本土だけは中国国内の電話番号によるSMS認証が必要なのでこのアプリは利用することができない。
CUBEシリーズ
台湾のNextDrive社が提唱するCUBEシリーズは本来は電力の見える化を核とした「CUBE J」を中心に周辺機器を組み合わせることでIoT(Internet of Thingsの略でモノとインターネットを接続することにより制御すること)が手軽に個人レベルで完成する製品だ。
写真右上の小さな箱がCUBE Jである。コンセントに直接さして電力会社のスマートメーターと通信を行い、リアルタイムで電力量を計測、インタネットを通じて手元のスマホアプリで監視することができる。もっとも電力会社とのスマートメーター利用契約(無料)は必要だが、今回は時間の関係でその機能は利用していない。
このCUBE Jは周辺機器とインターネットを接続するルーターの働きも兼ねてることから様々な監視と警報が遠隔地にいても受信することができ、エアコンの制御もできるのが特徴だ。
日本の自分の部屋にこのCUBE JとCAM(広角赤外線カメラ)、MOTION PIXIという振動センサー、THERMO PIXIという温湿度センサー、BEEPという赤外線リモコンを組み合わせて簡単な監視システムを構築して出発した。
振動センサーが振動を検知すればスマホのアプリから検知したことを即座に知らされる。
カメラと赤外線リモコンは常時遠隔操作可能で、振動を検知していない時でも任意のタイミングでリアルタイムで映像を見ることができる。
真っ暗な玄関であっても、赤外線が照射されているので暗視カメラのように利用することができる。明るい時には自動で赤外線照射が停止し、通常のカラー映像で見ることができる。
利用シーンは防犯目的はもちろんのこと、留守番をしている子供だけがいる家の監視、ペットの監視、遠隔地で暮らす一人暮らしのお年寄りの部屋の監視にも利用できるだろう。カメラは気が引けるという場合は温湿度センサーだけでも設置すれば、尋常でない環境を検知して通知が届く。もちろん温湿度の警報範囲の設定は任意にすることができる。
高額な専用システムを購入しなくても、必要なセンサーだけを購入して自分だけのIoTを構築できるのはありがたい。
本シリーズでは海外旅行に限らず、普段使いができる便利アイテムをセレクトして引き続き海外出張や旅行の際に取り上げたい。ご自身の生活や旅のスタイルに合わせて参考にしていただきたい。
※写真および動画はすべて記者撮影・収録