サッポロビール千葉工場の有料見学がアップグレード!リピーターが多いその秘密をレポート

  by 古川 智規  Tags :  

サッポロビールの千葉工場の見学は有料のものがある。無料のビール工場が多い中では異色の存在である。
しかし記者が一般見学者と一緒に見学した時にはリピーターが多く、その人気ぶりに目を見張った。
そんな工場見学の秘密をレポートする。

サッポロビール千葉工場はJR総武線と京葉線、または京成線各駅から無料送迎バスがあるのでそれを利用していくとよい。
記者はJR津田沼駅から送迎バスに乗車した。

京成バスシステムが運行する送迎バスには見学者が多く利用し、約30分で到着する。

同工場には無料で見学できる施設もあるが、今回参加するのは500円の有料ツアーだ。
工場見学というのは地域社会や消費者に企業や製造工程を理解してもらう目的がある。よって有料のものは少ない。ほとんどが無料であるがあえて同工場では有料ツアーが存在する。

1ツアー40名の定員があるので予約をしていくのがベスト。500円を支払い年齢や運転の有無により色分けされたパスが配布される。
いよいよ約50分にわたるツアーのスタートだ。子供でも参加可能なので平日にもかかわらず親子連れも多い。

ビールといえば麦。麦の製造へのこだわりや取組等が説明される。

ホップはビールの苦みの素。これなくしてビールは語れない。ホップのにおいをかぐこともできるので、勇気のある方は挑戦していただきたい。香りが苦いとはどういうことなのか。

ビールが通る管を撮影するとスマホが映りこんでしまうほどの光沢がありびっくりする。まさに鏡面仕上げの徹底した品質管理が行われている証拠だ。

包装工程は完全自動化されたほぼ無人の工場。ここには報道関係者にも撮影不可な秘密兵器があるのだが、ちゃんと見せてくれるのがすごい。

その隣には瓶詰ビールを包装する工程を目にした。ラベルを貼って定着させるために間隔を空けて出てくる様は見事としか言いようがない。
ちなみに日本ではビールの主要3メーカーは瓶を共通使用している。使える限り市場に出回ったビール瓶を回収してメーカーにかかわりなく使用する。このような取り組みを行っている国は少ないという。このような取り組みが行われる初期のころは需要期にメーカー同士で瓶の取り合いになってこともあるという逸話を教えてくれた。そんな経験があるからこそ各社でビール瓶の回収率を上げる仕組みが出来上がったというわけだ。

ツアーが一通り終わればお楽しみの試飲の時間。
以前は2杯まで試飲できたが、今回のリニューアルで時間も50分に伸びたが、試飲できるビールも3杯までとアップグレード。
なお、運転者や未成年者にはソフトドリンクが提供される。もちろんビールを飲める参加者でもソフトドリンクを注文してかまわない。

この段階で缶ビールでも気軽にできる見事な泡の作り方を披露してくれる。このデモンストレーションには一緒にやってくれる見学者1名が募られる。
これには積極的に参加した方がよい。自分で注いだ缶ビール「サッポロ黒ラベル」はその場で生ビール3杯の試飲とは別枠でもらえるからだ。都合4杯飲めるので勇気を出して手を挙げよう。

きれいなグラスに見事な注ぎ方をした生ビールは白い泡のスジが付く。このスジが飲んだ回数となるので、少ないほど一気に飲み干してしまったということがわかる。
試飲が終わればツアーは解散となるが、帰りのバスの時刻までちゃんと案内してくれるのでほろ酔いでもバスに乗り遅れツ心配はない。

500円でビール3杯と千葉工場特製の非売品グラスをお土産にもらえるので決して損はない。しかし参加者にはお金を払っても損はない内容にしろ、無料の工場見学が多い中でわざわざ有料にするのは、ツアーを案内するスタッフや工場関係者の意識や責任感の向上、消費者とのつながりを強く持つことができる等のメリットもあり、結果的にウィンウィンの関係が成り立つというサッポロビールの企業姿勢でもある。
実際に記者の回のツアーを担当した山田さん(トップ画像)の個性により、見学者が楽しみながらツアーを終えたのは見れば明らかだった。おそらく次回ツアーに参加した時にはまた別の担当者が別の個性で楽しませてくれるのだろうと想像するとまた行きたくなる衝動に駆られる。
また、お土産にもらえるグラスを家族分揃えたくて通うという「コレクター」もいるようで、そういうさまざまな消費者に支えられて工場見学が成り立っていることが実感できた。
なお、無料で見学できる施設の中には写真のようなハイテクを駆使したフォトジェニックな記念撮影ができるコーナーがあるのでぜひ利用したい。
500円以上の価値ある「美味しい」体験が思う存分できるアップグレードしたサッポロビール千葉工場へ足を運んでみてはいかがだろうか。

※写真はすべて記者撮影

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