筆者は格闘家だったことも、軍隊で前線に立つ兵士だったこともないのですが、左耳の後ろ、左頬、左臀部となぜか全身に外科手術の傷跡があったりします。外科手術をすると、傷が完治して抜糸するまでに大体1~2週間かかったりします。いつ自分が傷を負って外科手術の世話になるかは予想しづらいものだとは思いますが、これまでよりはるかに早く傷が完治する時代がそろそろ来そうです。
アメリカのハーバード大学とノースイースタン大学、そしてオーストラリアのシドニー大学に所属する医用生体工学の研究者達が、紫外線を当てると60秒で硬化する外科手術用接着剤『MeTro』を開発しました。
Surgical glue – breakthrough medical technology that could save lives (YouTube)
https://youtu.be/h7Ww805tUS8
『MeTro』は、エラスチンと呼ばれる天然の弾性タンパク質をベースとした、粘着質かつ伸縮性のあるジェル状の液体。分解酵素を配合することで『MeTro』が固まっている時間を調節することも可能となっています。人間の体の表面にある傷だけでなく、心臓や肺など体内の傷にも使用できるそうです。傷が完治するまでの時間も、従来の医療用ホッチキスと比較すると半分程度に短縮されるとのこと。
まだ動物実験の段階なので、今後人間を対象とした臨床試験を経て実用化へと進んでいくようになります。実用化されれば、救急現場や救急車内での応急処置における利用が期待されています。傷口を早くふさぐことで大量出血のリスクや、輸血の必要性が減少するものと思われます。
同時に『MeTro』には、手術や応急手当など医療現場からのニーズだけでなく、前線で戦い負傷した兵士の応急処置といった戦場でのニーズもありそうです。アメリカの場合だと、医療用としてよりも軍事用としての利用が先になるのでしょうね。
※画像:『YouTube』より引用
https://www.youtube.com/watch?v=h7Ww805tUS8
※ソース:
https://wyss.harvard.edu/a-super-elastic-surgical-glue-that-sticks-and-seals-in-vivo-even-when-tissues-are-moving/
https://sydney.edu.au/news-opinion/news/2017/10/05/_squirtable_-elastic-surgical-glue-seals-wounds-in-60-seconds.html