5月7日まで東京ビッグサイトで行われた第28回国際文具・紙製品展ISOTを取材した。
すでに発売中の逸品から今後発売される楽しみなアイテムまで盛りだくさん。いくつかのブースから紹介したい。
ニッチな市場にも果敢に挑むキングジムはアナログチックなデジタルがいっぱい!
おなじみテプラからは、記者待望の新製品が発売される。なぜ記者待望なのかというと、リボンやテープのネームタグを今までテプラで自作していた。しかし時間の経過とともに、リボンは解けてしまい、テープはボロボロに。本来は貼り付ける目的だからブラブラさせていたのではボロボロになるのは当たり前。
家庭ではママが子どもたちのために、さまざまな持ち物にネームシールを貼ったり縫い付けたりするだろう。しかし、縫い付けたものを解くのは困難で、シールは剥がれる。
テプラプロSR170は、通常のテプラとしても使用できる他、リボンに印字すると自動的にタグを作成してボタンを付ける位置表示(トンボ)をマージン込みで印字する。
印字されたトンボ部分にハサミで切込みを入れて、別売りのスナップボタンを仮止めする。
そして、これも別売りだが、お名前タグメーカーSRT10で圧着すればボタンがはめ込まれる。
例では、ループひも付きのハンカチにタグを取り付けたところ。
海外出張の際に預託手荷物にタグを付けることがよくあるが、ハンカチやリボンを巻きつけるのは日本人の定番だ。しかし、小さいながらも特徴のあるボタン式のオリジナルネームタグを付ければ、意外と目立つので荷物が見つけやすくなる。これまで記者は取材機材を航空会社に預ける際にテプラで作った「PRESS」テープを貼り付けてたが、コレがあれば取材でないときには取り外せるしネームだけのタグに取り替えることもできる。
リボンが印字できるテプラであれば、左右にマージンを取って印字すれば同様な仕上がりになる。家庭でもビジネスでもアイデア次第で役に立つと思われるので、専用機の導入も検討してみてはいかがだろうか。
女子の間では手書きの手帳がまだまだ人気があるという。市場を見渡してみると、確かにマスキングテープが本来用途以外で手帳装飾用に売られているのを見るとそうなのだろう。
用途別のメモシール(ふせん)は、そんな女子たちの心をくすぐるアイテムとなりそうだ。
例えば、領収書のような金額を入れる欄があり、支払手段をチェックして購入したものをチェックできるものや、本に特化したもの等さまざまだ。手帳に貼る自分だけのメモ用途の他、インスタでアイテムをアップする際にメモを一緒に写し込むとオシャレに見えるだろう。
人気のマスキングテープでオリジナルのシールを作ってしまおうというのがマスリエ。
様々な種類の絵柄やカッターマット、カッターナイフがセットになって新登場。
出来上がったシールは柔らかい素材なので、グラスのような曲面にも貼り付けることができる。これまでの購買層では意外にも大人の女性が多いということだったので、自分だけのオリジナルグッズを作るというのは単なる流行ではなく、もはや主流のことなのかもしれない。
電子メモパッドのブギーボードは電子メモパッド。
書いて消す以外に何の機能も持たず、保存もできなければ通信もできない。
しかし、そのシンプルさがゆえにアイデア次第では使い方は無限。
記者目線で意見をいうと、カメラ映りが抜群に良いという点だ。これは案外重要な事で、文字や絵がカメラにきれいに写れば記事用の写真も後から読み返すのも楽だ。ちなみに、消去するとき以外に電力は消費しないということなので電池切れでメモがパーということはない。したがって、すぐに消すものから長期間掲示しておくものまで使用が可能だ。
大きさも様々あるので、電話メモや掲示板がわりのメモにとどまらず、絵心のある方はフォトジェニックな作品をSNSにアップする際にも活用できるだろう。なお、取材時に書いてもらった画がイマイチなのは書いた人のセンスなのでご容赦いただきたい。
キングジム最後は、デスクポケット。
最近はペーパーレスの影響かデフレの影響かは知らないが、オフィスのデスクスペースが小さくなっているという。
記者が会社員だった頃は偉そうに両袖のデスクを使っていたものだ。
そんな現代のビジネスマンに福音となるのが、このデスクポケット。
引き出しの外につるして使うポケットだ。ちゃんと、引き出しの取っ手部分が空いているので引き出しの開閉に支障はない。
マグネットで止める仕組みで、キングジムでは主要メーカーのデスクの天板と引き出しとの隙間を測って作ったという努力賞もの。
引き出しを開閉せずに取り出すことができるポケットは、デスクの使い勝手を格段に高めることだろう。
ヤマトはノリの老舗としての意地を見せつける!
ノリの老舗ヤマト株式会社のロゴは矢が的が当たっているめでたいもの。製品に描かれている英字のロゴも同じ。だから矢的(ヤマト)なのだという。大和の国にも掛けた明治時代のシャレたネーミングだったのだろう。その老舗のヤマトは現代ではノリに限らず、現代ビジネスを支える様々なアイテムを発売してる。
貼ってはがせるテープ型の付せんである「メモックロールテープ」は25周年を迎え、今月には25周年スペシャルパックを発売するとのこと。
スペシャルな内容は、カッター付き2巻入りに、つめかえ用1巻が入ったパッケージだ。
人気の蛍光カラーでそろえたロールは好きな長さにカットして使えるので、ビジネスのみならずアカデミックでも大活躍だ。
接着剤のメーカーとして遊びや装飾の世界にもその技術を提供している。
グラスデコは、透明なプレートに同品を絵の具のように塗って乾かすだけで、ステンドグラスのようになるというシロモノ。
写真はクリスマス向けに9月に発売される限定セットだ。塗るだけなので塗り絵のように子供でも安心して作ることができる。あえて使用したほうが良いと思われるのは細かい場所に塗り込むためのつまようじくらいだろうか。
大人向けというわけではないが、新色も単体で発売される。
写真はラメ色と蓄光色。下は作例で製品ではないが、ラメは女子に大人気になりそうだ。蓄光色は長時間の蓄光はできないが、夜にきらめく装飾を簡単に施すのに良さそうだ。記者の提案としては、透明なフィルムに星座を塗っていけば即席のプラネタリウムになるのではないだろうかというものだ。日本では見ることのできない南半球の星空を忠実に再現すれば、とかく夜更かしになりがちな現代人もササッとベッドに潜り込むのではないだろうか。
シヤチハタブースは今年もOSMOで人だかり!
シヤチハタのブースは昨年も多くの人が群がっていた。OSMOが使えるからだ。
自分で好きなデザインをその場でスタンプにできるOSMOは毎年人気のコーナーだ。もちろん写真もその場でスタンプにすることができるので、個人用途はもちろんのことビジネスでも例えば名刺に押す自分の顔写真のスタンプを作成する等用途は広い。
記者もアイデアはあったのだが、待ち時間が半端なく残念ながら試すことはできなかった。
書類やメモを社内で回付する際に、「ご検討ください」や「電話がありました」のような主旨を書いた付せんをつけることが多い。
それらの定型文を書く手間をハンコに任せようと開発されたのが「オピニお願いごとスタンプ」だ。赤ではなく茶色の目立ちすぎないが目に付く絶妙なインキ色で、手書き風文字を採用している。
顧客向けの書類送付にも対応した文面もあり、部署の用途に合わせて選択することができる。
同時に使用したいのが、本来は手帳用だそうなのだが昔のロケット鉛筆のようにハンコが分割された組み合わせ自由なポンプラン。
ネームはもちろんのこと、手帳の日付に丸印をするという一見役に立ちそうにもないが、それだけでかなりオシャレになるスタンプもある。オシャレにはこだわりたい女子にはうってつけのアイテムだ。
シヤチハタでは、オピニシリーズとしてスケジュールノート(手帳)もラインナップに加えてる。
ちょっとオシャレなブックマークや、ペンをはさめばノートがロックされる機構等、随所に散りばめられた小技が光るオフィスの便利を追求するメーカーならではの逸品だ。
シヤチハタといえば、もはやゴム印の代名詞ともなっている。毎日使うネームスタンプは便利だが味気ないのも事実。そこで開発された着せ替えネームスタンプ「ネーム9着せ替えパーツ モフラ」(写真右下の2種)。既存のネーム9の軸とキャプを付け替えるだけで起毛処理されたモフモフとしたスタンプに早変わり。6色展開で男性向けのブラックやブルーもあるので、ポップなネームスタンプにチェンジさせて無機質ななつ印とはおさらばしたい。
そして、今後発売される新商品が写真左上のスクエアネーム12。
四角いゴム印で、オーダーメイド品。丸でも四角でもともかく経が大きいのでフルネームで作成することができるのが特徴。
てん書体も用意され、実印のようなゴム印ができるのはもちろんこと、蔵書印にも使用できる。蔵書印を持っている人は今では少ないだろうが、自分の持ち物にポンポン押せばかなりかっこよいアイテムになるはずだ。記者はこれにひかれたので、時期が来れば作って紹介しようと考えている。
スタンプの技術を駆使しまくったコーナーがコレ。
版画のように薄い色のスタンプを順次押していくとカラーの絵葉書ができる。
東京を主要テーマにした今年の作品は版権の関係上、期間中3日間しか使えないという超レア物だった。
使用用途としては、イベントでのスタンプラリー等が考えられるだろう。
最後にシヤチハタの社名はシャチハタではなく「シヤチハタ」だ。試験に出るので覚えておこう。(笑)
いかがだろうか、3社しか紹介できなかったが多くの製品が市場に出る。ステーショナリーマニアの方もそうでない方も、発売時期を確認した上で店頭で手にとって確かめてみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影