ユニクロがニューヨークの五番街に華々しくオープンしたのが昨年の10月。あれからおよそ半年が流れました。
ユニクロ、調子いいようです!ニューヨークの観光客がよく乗る2階建てで、天井無しのバスは側面も大きく、その大きな側面を広告に使っていますが、よくユニクロの広告を目にします。
日本企業が外国に切り込むのは大変だったと思います。アジアは比較的展開しやすいかも知れない、しかし、アメリカは大きな賭けだったかも知れません。日本の車産業でいち早くアメリカに工場を作ったのは本田。これがトヨタではなかったんですね。大きな大きな賭けだったわけですよ、ユニクロより車産業は資金を投資しますし、工場を建設して現地の人たちを雇用し、すべて未経験のことをはじめるのですから男の勝負だったわけなのです。
日本の車がアメリカに定着して、今度は衣料品がやってきた。
ユニクロは割安な衣料品で、質はいい。そして何よりイメージがいい。どんな人にも受け入れられて、それ自体マーケティングとしての間口が広いし、ユニクロブランドの安定感もあります。
五番街のユニクロ前で人の動きを見てみると、ユニクロに入るぞ!という意識で来た人たちより『なんだこの店、随分流行ってそうじゃないか….』の感覚で店に吸い込まれる感じの人たちが殆どです。
中に入るとTシャツ売り場で目を引き、しかもセール品は10ドルしない価格を引っさげています。ハンガーにかけられ大きな壁地面にアートのようにいろんなTシャツを並べているのですが、企業コラボTシャツで東洋水産のマルちゃんやら、大阪のくいだおれ太郎、チチヤスヨーグルト、Q・B・Bベビーチーズ、キューピーマヨネーズなど懐かしくて見ていてウキウキしてしまいます。
あえてアメリカ人になじみのない日本企業を全面的に押し出すのは、ユニクロ戦術として五番街店では大成功のようにみえて、入店した人たちは先ずここでストップして、あれやこれやTシャツを手にしわくわく気分がこちらにも伝わります。
ユニクロの価格設定は五番街のあの辺りでは激安です。だいたい高級感のある五番街のミッドタウンですから、観光客は財布を開かないままの人も多いかも知れませんが、このユニクロに冷やかし半分で入った人たちは、値段で折り合いもつくし、また店舗が遊園地みたいな楽しい感覚なので雰囲気により数点買い上げるでしょう。
高級店が立ち並ぶ五番街で、実際買い物客になる人は少ないはずなのですが、しかし、できれば参戦したい、しかし、なかなか財布の中身では勝負できない。そこにユニクロが登場しますと、確実に財布の紐はゆるくなり、ユニクロは商売繁盛につながっていくわけなのですね。
ユニクロの商法からは学べる点がたくさんあります。
ユニクロ五番街店
666 5th Avenue at 53rd Street, New York, NY 10103
画像:frickr from YAHOO!
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