「真田十勇士」、塾講師による感想文
どうしても、NHKの「真田丸」と比べてしまう。
私は高校時代は、日本史や世界史が一番好きで得点源だった。大学時代は、「竜馬がゆく」は20回以上読み返した。山岡荘八さんの「徳川家康」もよく読んだ。歴史オタクと言える。
だから、見る前からストーリーの想像はついた。確かに、面白かったし、よく出来ていると感心した。特に、戦闘シーン。かなり、リアルだった。
残念だったのは、最初のアニメ部分や最後の紙芝居風の解説。あれは、要らない。そのお陰で、全体にしまりがなくなった。
若者を意識して、故意に軽くしたのだろうが、もったいない。
真田一族は頑張ったけれど、織田信長や豊臣秀吉ほどの器ではなかった。結果だけで判断すると、だ。その織田信長の比叡山の焼き討ちや長島や伊賀の猛攻は、今も語り草らしい。
私のもと奥さんは、長島の出身で今でも信長はヒドイことをしたと言っていた。地元の人の記憶には、深く刻まれるのだろう。
しかし、信長のような人間がいなければ戦国時代がさらに続いていた可能性もある。すると、比叡山や長島くらいの犠牲者で済まなかったかもしれない。
だから、評価が分かれる。いつまでも、議論の対象となる。そういう重いテーマを突きつけているわけだ。
セットも、鎧などの小道具も、俳優さんの演技も、何もかも素晴らしいだけに、編集の軽さだけが残念だ。
戦国時代や明治維新が小説やドラマにとりあげられるのは、そこに混乱にありがちな人間の生の姿が現れるからだ。
ところで、現代の殿様、政治家はどうだろう?
当選すれば、五代続けての国会議員誕生となるわけだが、加えて鳩山家といえば、高祖父の和夫氏から代々東大卒の秀才が輩出してきた家柄。もっとも、それは邦夫氏までのことで、長男の太郎氏(元都議)は早稲田、長女の華子氏は慶応卒。これとて、名門であることに変わりはないが、当の二郎氏のプロフィールには、
〈杏林大学社会科学部(現・総合政策学部)卒業〉
「二郎さんは青山学院初等部から高等部に進んだのですが、高3の時になぜか中退。単身、オーストラリアのサウスポートスクールに留学し、帰国後、杏林大学に入学するのです」(鳩山家の関係者)
ちなみに、同大は医学部の名門校として知られているが、総合政策学部は偏差値35(総合政策学科)。いわゆる「Fランク」と呼ばれており、偏差値の算出が難しいレベルなのだという。
偏差値35でも親が政治家なら、5代目の政治家になれる日本。戦国時代なら、すぐに滅ぼされてしまうのだけど、平和ボケした日本なら学年でビリの怠け者でもリーダーになれるのでしょう、親の七光りで。
ビックリ。