こんにちは、相澤です!今年の桜は遅かったですね。慌ててお花見に行くのも良いですが、遅咲きの桜を楽しみながら、たまにはかっこよく文学的に、日本の春の歌でも楽しんでみてはいかがでしょう?
『花』(作曲者:滝廉太郎)
♪春のうららの隅田川…で始まる、有名な春の歌です。
他の童謡とは違い、ドラマチックで華やかな曲ですね。
この歌は
屋台船で隅田川沿いの桜を眺めている様子
ではなく、
明治時代に隅田川で盛んであったボートレース、レガッタの様子と
隅田川の情景を、歌にしたものだそうです。
更に、歌詞の
“櫂(かひ)のしづくも 花と散る”の部分は、
『源氏物語』のうち、24番目の『胡蝶』というお話に収められている
源氏の春の舟遊びイベントの様子とリンクしているようです。
春の暖かな空の下、水辺の桜を楽しむのは
いつの時代も贅沢な楽しみだったのですね。
『朧月夜』(文部省唱歌)
優しい春の歌といえば、『朧月夜』。
中島美嘉や槇原敬之もカバーしている名曲です。
1. 菜の花畠に、入日薄れ、
見わたす山の端(は)、霞ふかし。
春風そよふく、空を見れば、
夕月かかりて、にほひ淡し。
2. 里わの火影(ほかげ)も、森の色も、
田中の小路をたどる人も、
蛙(かはづ)のなくねも、かねの音も、
さながら霞める朧月夜。wikipedia:朧月夜 (歌曲)http://ja.wikipedia.org/wiki/朧月夜_(歌曲)
『朧月夜(おぼろづきよ)』とは、春に見られるぼんやりした月のことです。
春の月がはっきり見えないのは、黄砂の影響と考えられています。
歌詞からは
夕日が沈んだ後、まだ少し明るい空の下、霞んでいく山の輪郭。菜の花畑。
ほんのりした色の月、柔らかい春の空気。
それらが絵を見るように浮かび上がります。
日が暮れ始め、
そのうち灯されるまばらな家の明かりや、静かな森の闇。
蛙の声やお寺の鐘の音までもが、歌詞の中に表現されています。
美しい歌詞と、優しいメロディーが
今でも多くのアーティストが「歌いたい」と思うポイントかも知れません。
『春が来た』(童謡)
歌いやすい春の歌、といえばこれ。
春が 來た、
春が 來た、
どこに 來た。
山に 來た、
里に 來た、
野にも 來た。
「♪はーるがきーたー、はーるがきーたー、どーこーにーきたー」。
説明不要、練習不要、オンチの人でも大丈夫!という素晴らしい歌。
シンプルすぎて替え歌にもなりやすい歌です。
これだけ短い歌詞であっても、
「春が来た!」という喜びはよく伝わってくる。なかなかすごい歌だと思います。
花は桜、春は曙。日本人は春が昔から大好きです。何かと忙しい春の中、「日本の春の歌」に心安らいでみて下さいね。