「置き薬」なんていう言葉は若い人にはもうわからないだろうか。
自宅や職場に製薬会社が常備薬を置いておいて、使ったもののお金を後日払うという昔からある日本の伝統的な商売方法だ。
それにヒントを得て、最近はオフィスに薬だけではなくお菓子やアイスクリームを置いて、食べた人がその都度お金を入れるという「置き菓子」のようなものもある。
資生堂が同社のラインナップである「マキアージュ」を小さな鏡台である「メークボックス」に入れて、オフィスに置き女性に自由に使ってもらおうという試みが行われたので取材した。
その名も「オフィス マキアージュ」。応募したオフィスから抽選で10社が選ばれ、自由に使ってもらおうというこの試みは、あくまでもキャンペーンなので、使った化粧品を後で払うということではなく、無料で使ってもらうあくまでもキャンペーンの一環だが、置き薬にヒントを得たのだろうか。
やってきたのは、インテル。あのCPUのインテルだ。
写真はビフォーの状態で、先輩後輩が入り混じる。
まずは、興味津々で化粧品を見たり触ったり、ワイワイガヤガヤ。
そして、あらかじめプロのレクチャーを受けた先輩社員が後輩社員にメークを施していく。
その都度出来をみんなで確認しながら、やはりワイワイガヤガヤとメークを進めていく。
普段は仕事上の付き合いがほぼすべての先輩後輩が、メークを通して「カワイイ」とか、「えー、こんな風になるんだ!」とか、一喜一憂。
全員の中でメークに最も時間をかけるという彼女は、自信があるのか自分でせっせとメークをしていく。
完成したのか、カメラ目線でこのドヤ顔。
途中経過でも楽しそうだ。
普段はあまり使わない色でも、他人から良いと言われれば意外と大胆に使ってみるもの。
どうやら完成したようだ。いかが、5名のアフターの顔。
彼女たちに話を聞いてみると、褒められることのうれしさがかなりの感情を左右するようであった。
すなわち、普段は一人で鏡に向かってするメークも、他人に見てもらいながら「かわいい」「きれい」と言われると、通常使わない色やアイテムを大胆に使え、意外な方向に変身できるという効果があるようだ。
また、先輩や後輩と間柄を飛び越えて、メークという共通の話題からプライベートな話に自然となり、意外な一面が見えた結果として「この色がいいんじゃない?」と新たな提案をしてもらえる効果もあるようだ。
メーカーとしても、普段使わない色を使ってもらうことによってイメージがガラッと変わることの楽しさや意外な発見をしてほしいという意図があるようで、今回のオフィス マキアージュを機に今後の展開に生かしていきたいとのことだった。
このようなシチュエーションは、オフィスでなくても女子会で作ろうと思えばできることなので、職場の仲間や気の合う友達同士で新しい自分発見にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影