Googleの自動運転車チームは、最近、自動運転車業界の経験を持つ、多くの人たちを雇用した。 2016年3月3日
by Reuters、Fortune
LinkedInのプロフィールを調査した、Reutersによると、Googleの自動運転車チームは、少なくとも、170名の自動運転車業界の経験者を、新たに雇用しているという。
Googleの自動運転車チームが雇用した、自動運転車業界の経験者の多くは、この分野のソフトウェアとシステムの技術者である。
さらに、Googleの自動運転車チームは、同社の他の部門からも人材を補充している。
Googleの自動運転車チームが補充した、自動運転車の設計や製造の経験を持つワーカは、Tesla、Ford、および、General Motorsを含む、大手の自動車メーカで働いていた。
Googleは、以前、2020年までに、実用的な自動運転車を提供する意向であるが、自動運転車自体を製造することはないと述べていた。
Googleは、自動車メーカと、自動運転車の製造の委託契約を交わし、車載コンピューティング・システム、センサー、アクチュエータなどを含む、同社の自動運転車関連技術をライセンスするようだ。
ライセンス方法は、Googleが、モバイル・デバイス・メーカに、Androidオペレーティング・システムをライセンスするときに使用しているモデルに従うだろう。
Googleの自動運転車チームが補充した人材の、職務の多くは、製造関係であるが、購買、サプライヤ開発、サプライ・チェーン管理を含む、他の経験を持つワーカも採用している。
製造スキルを持つ人材は、製造を委託する自動車メーカを探し、委託契約を交わす上で、必要とされている。
また、Googleは、連邦政府と州政府の規制者と、自動運転車に適応させるために、自動車の安全基準を改訂することに関して議論している。
ITベンダや自動車メーカは、自動運転車の開発レースを展開しており、技術的な競争が激化している。
自動運転車技術を開発している、自動車メーカには、Tesla、Daimler AG、および、GMなどがいる。
また、自動運転車技術を開発している、ITベンダには、Googleの他に、Apple、Microsoft、Uber、および、Baiduなどがいる。
Googleの自動運転車チームは、以前、Hyundaiの米国事業所で、製品開発と製造の専門家として働いており、2015年9月に、Googleに移籍した、John Krafcik氏により構築された。
Jaguar Cars、Ford、および、日本のデンソーで、自動運転車の開発経験があり、最近は、英国のRicardoのRicardo Defense Systems事業部長であった、Paul Luskin氏が、2016年2月に、運用管理担当役員として、Googleに移籍している。
Googleは、2015年7月に、エンジニアリング管理者として、Jaguarに16年間、Teslaに2年間在籍していた、Andy Warburton氏を、自動車エンジニアリング・チームのヘッドとして雇用した。
Googleは、2015年11月に、GMで製造部門を担当していた、Sameer Kshisagar氏を、自動運転車チームのグローバルなサプライ管理のヘッドとして雇用した。
また、Googleの自動運転車チームは、航空宇宙分野(Boeing、SpaceX、Jet Propulsion Lab)や、エレクトロニクス分野(Intel、Samsung、Motorola)の自動運転車に関連する経験を持つ、専門家も雇用した。
Googleの自動運転車チームのディレクター、Chris Urmson氏とKrafcik氏によると、技術や製造だけでなく、顧客サポート、保守、販売、マーケティングなどの分野で、既存の自動車メーカとのパートナー関係を強化して行きたいという。
ただし、自動運転車ビジネスにおいて、Googleと、従来の大手の自動車メーカとの間には、固有で根本的な(理念や利益などの)衝突があるようだ。
しかし、Googleは、世界に、販売、顧客サポート、保守体制を確立している、大手の自動車メーカとパートナーを組むか、世界的な販売チャネルや保守サポート体制を確立してる、自動車メーカを買収しなければ、独自に、自動運転車の販売サポート・チャネル確立することが困難だろう。
このため、Googleは、独自に、独自に設計した、自動運転車のプロトタイプを構築し、Foxconnといった、中国の受託生産会社や、中国やアジアの自動車メーカと、パートナーを組むことを選択するかも知れない。
Michiganベースの製造コンサルタント、Michael Tracy氏によると、Googleは、自動運転車のバックボーンを形成する、マッピング・データベース、自動車制御ソフトウェア、ソフトウェアの統合パッケージ、センサー、および、アクチュエータから、いくつかの異なった、自動運転車ビジネスにおける、潜在的な売上や利益の流れを見ているという。