一体、いつから日本はこんなに住みにくい国になっていたんだろう。
たくさんのグラビアアイドルが水着姿で出演するという話題の舞台『熱いぞ!猫ヶ谷!!』を観て、気付かされた。
そう、他ならぬおっぱいのことである。
かつての日本には、おっぱいがあふれていた。
テレビドラマでは、銭湯のシーンなどで胸をはだけた女の人がたくさん出ていたし、アイドル歌手が水着姿で歌を歌うことなどめずらしいことではなかった。
さらには『オールスター水泳大会』などという夢のような番組が各局で放送され、そこに映し出される“健康的なお色気”に、若い頃の筆者などは夢中になったものだ。
もちろん、それらが衰退していった原因はわからなくもない。
不特定多数が見るテレビという媒体で、あまり過激なことをすると、どんなクレームが来るかわからない。
そのような自主規制は働いているのだろう。
そしてもうひとつ、何もテレビなどでエロを楽しまなくとも、ネットの世界にもっともっと過激な画像や動画が流れているのだ。
しかし、違うのである。あの頃見ていたおっぱいの明るさ、そして健康的さは、残念ながらそこにはないのだ。
そんな中、『熱いぞ!猫ヶ谷!!』は衝撃的だった。
物語の舞台は、埼玉県にある架空の都市『猫ヶ谷市』。
夏場に日本最高記録を樹立した同市では、条例により男性は全員アロハ、女性は全員水着で平和に暮らしていた。
ある日、新しい市長によって、今の暮らしを変えてしまうような改革案が持ち上がる、それに反対した女子高生たちは、ある行動を起こす-。
出演するのは、現役で活躍するグラビアアイドル17名。
オーディションで選ばれただけあり、ルックスもプロポーションも抜群!
もう一度言うが、もちろん全員セクシーな水着姿だ。
ステージは、真ん中に円形の舞台が作られ、その周りに客席が配置されていることもあり、どこの席からでも近く、見やすい。
そんな中で、出演者たちは、所狭しと走り回り、歌い、踊る。
筆者も三列目の席から、とびきり可愛い女の子の笑顔と、はちきれんばかりのおっぱいを堪能することができた。
ネットなどでは味わえない、リアルな感動がそこにはあった。
構成もよく考えられており、要所要所でドキッとするようなサービスシーンもあって、終始ステージから目が離せなかった。
個人的な意見ではあるが、欧米の「セクシー」さに比べ、かつての日本の「エロ」は、よりさわやかで健康的なイメージがあった。
恋愛感情とも違う、露骨な性的興奮とも違う、やわらかでここちよく、何よりも平和な感情が心の中に芽生える。
「おっぱいが規制される世界に平和など訪れるはずがない」、そんなことさえ考えてしまうほどだ。
今回の舞台を見て、そのさわやかな感動を十分に味わうことができた。テレビの中からは消えてしまった貴重なお祭りが、舞台という文化の中で脈々と息づいている。そんなうれしさを感じられるひと時であった。
舞台『熱いぞ!猫ヶ谷!!』は、品川プリンスホテル クラブeXにて3/20(日)まで上演。(当日券あり)
※画像は舞台『熱いぞ!猫ヶ谷!!』公式サイトより http://yell.dmm.com/lp/special/nekogayasite/