▽私たちの身近な存在となったSNS
5年ほど前から日本でもスマートフォンが爆発的に普及し、それに伴ってTwitterやLINE、FacebookなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も普及した。今や、これらのSNSは私たちの日常の一部分にもなっており、必要不可欠なツールになっている。また、地震などの災害時に、電話が繋がりにくい状態でも安否確認のためのツールとしてその効力を発揮しているのは先の東日本大震災でも実証済みであり言うまでもない。
▽SNSユーザーを見栄っ張りにした原因とは
しかし、これらSNSは果たして“良いこと尽くめ”なツールなのだろうか?
昨今、これらSNSがそのユーザーを“見栄っ張り”にしていると巷で囁かれている。これはどういうことだろうか?
そもそも、SNSは日々のつぶやきなどを発信したり、相互フォローしている仲間と情報のやり取りをしたりするものである。その行為を補完するためのものとしてTwitterでは「リツイート(以下、「RT」と表記)」や「いいね!」、Facebookでも「いいね!」や「シェア」などの機能が存在する。同時に、これらはその人のつぶやきに賛成するものでもある。
しかし、その機能があれば、他人よりも少しでも多くの賛同を得たい、という自己承認欲求が生まれる。そのためには他人と同じように日々のつぶやきばかりしていてはパッとしない。そのためにはインパクトのあるつぶやきをしなければならない。そのために人々はいかに自分の日常が充実し、他人と異なるかを示すためにそれが無ければ行こうともしなかった場所へ出掛けそれをSNSで報告し、「RT」や「いいね!」をもらう。味を占め、再び同じような事をする。しかし、ある時期に「RT」や「いいね!」の数、つまり他人からの賛同数が減ることがある。それは同じような事ばかりをつぶやき、そのつぶやきに目新しさ、賛同する要素がなくなってしまったためだ。するとまた趣向を変え、つぶやく。そして賛同を得て「自分は他人から認められたい!」という自己承認欲求が満たされ、悦に浸る。現代はこの繰り返しなのだ。
この自己承認欲求の過程で、いかに自分が悪いか、ヤンキーとして豪快か、ということを示すために迷惑行為をSNSにアップするいわゆる「バカッター」現れたのだ、と考えると納得がいく。
▽ウェブ上への投稿=世界中の人々に見られる
一度ネット上にアップロードされたつぶやきや写真を抹消するのは至難の業である。さらにウェブ上につぶやきや写真を投稿する、ということは世界中の人々に見られるということを意味するので、あまり軽い気持ちで個人のプライベートを公開しすぎないことが将来の自分のためにも必要である。