Nvidiaが、CES 2016で、自動運転車や運転補助車用の車載コンピューティング・システムを紹介する。 2016年1月4日
By Don Clark、WSJ
チップ・メーカ、NvidiaのCEO、Jen-Hsun Huang氏は、自動運転車や運転補助車用の車載システム技術の進歩を促すことに取り組んでいる。
チップ・メーカ、Nvidiaは、CES 2016において、自動運転車用の、高信頼で、強力な車載コンピューティング・エンジンを発表する。
Nvidiaの最新の車載コンピューティング・システムは、150台のMacBook Proラップトップ並のコンピューティング・パワーを提供する、Nvidiaグラフィクス・チップのアレイを搭載した、ランチボックスぐらいなサイズのシステムで、価格は約30万ドルになるようだ。
Nvidiaによると、Volvo Carは、このNvidiaの車載システムの最初の自動車メーカになり、2017年に、スウェーデンにおいて、Nvidiaの技術で、100台のスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)を展開する計画であるという。
Volvo Carは、自動運転車を公道で走行できるようにする計画のある国に、同社の自動運転車を販売する計画を検討している。
各種センサーやカメラは、車の周囲の状況をセンスし、周りの人、車、障害物、信号、位置、方向など、さまざまな情報をリアルタイムに収集するために必要な、ハードウェア要素であり、正確で安全な運転の意志決定を行い、運転手を補助したり、自動運転したりできるようにする。
勿論、このためには、各種センサーやカメラで収集した情報を、リアルタイムに分析し、フィードバックするために、ニューラル・ネットワークと呼ばれる技術を使用した、ソフトウェアで処理することが重要であり、そのためには、各種センサーが、車載システムと相互接続し、相互運用できるようにするための、高速で信頼性のあるネットワーク基盤や、高信頼で、高性能、かつ、低消費電力の車載コンピューティング・エンジンが必要になる。
MicrosoftやGoogleといった、ITベンダは、自動運転に必要な、さまざまなことを認識できるようにするための、ニューラル・ネットワークを、既に紹介している。
Nvidiaによると、車載システムが、各種センサーやカメラで収集した、膨大な情報を、リアルタイムに分析し、フィードバックできるようにするために、自動車メーカは、独自のビッグデータ・プラットフォームを確立することが重要だという。
このような車載システムを搭載した、スマート・カーは、工場から出荷されるときに、自動運転や運転補助に必要な能力を学習しているが、顧客に渡された後も、車が遭遇する、さまざまな事象のフィードバックに基づいて、繰り返し学習し、改善されていく。
自動運転車や運転補助車は、乗客や歩行者を安全に保護し、緊急事態において、周囲の人や車や建物などに衝突することなく、安全に停止できることが必要である。
Nvidiaは、車載システム用のチップのメーカとしては、比較的、新来者である。
Nvidiaは、Ford Motor、Audi、および、Daimlerといった、自動車メーカが、同社のユーザになると発表した。
Nvidiaによると、同社のDrive PX 2車載コンピューティング・システムは、250ワットの電力を消費し、冷却ファン方式ではなく、液体冷却方式を採用する予定だという。
これは、極めて暑い環境でも、車載システムが、正確に動作できるようにするためでもあるようだ。
Nvidiaによると、この車載システムは、2016年の4Qに提供される予定だという。