Hello Barbieのような、インターネットに接続された、会話ができる人形は、子供たちを魅了するが、親を不安にさせる。 2015年12月17日
By Geoffrey A. Fowler、WSJ
3) スマート人形が、子供の想像力に与える影響を考える。
これらのスマート人形が、子供の想像力を妨げるかどうかどうかを理解するための、最も良い方法は、人形の基本的な技術を知り、子供の様子を観察することだろう。
スマート人形のHello Barbieは、基本的に、音声で開始される冒険を、自分で選ぶことのできる本であり、声優が録音した、合計8,000以上の会話パターンを持ち、子供が、限定的な数の会話を選択でき、さまざまな物語を展開できるようにしているという。
Hello Barbieとの会話を開始すると、このスマート人形は、会話の内容から、子供の好きな色といった、好みや関心を学習するようだ。
スマート人形のHello Barbieの質問の多くは、プログラムされた、ストーリを告げるだけである。
例えば、Hello Barbieは、自分が、世界のどこを旅行したいかを、話し相手に告げる前に、子供に、「あなたは、世界のどこを旅行したいの?」を質問する。
Hello Barbieは、時々、話し相手のRileyが、話の途中に割り込むよう誘う。
Hello Barbieは、「今日は、温かい日で、友達が、海岸へ行こうと、私を誘ってくれた。」、「何を着て行けばいいだろう?」、「ミトンとスカーフかな?」といった感じで、話し相手と会話をし、相手の好みや関心などを学習する。
Hello Barbieは、子供の空想の世界を理解し、その世界に参加できないにも関わらず、子供の想像力の長所を賛美するよう、プログラムされている。
Hello Barbieは、「あなたの想像力や創造力は、素晴らしいと思う。」と、Rileyを誉め、「私たちは、想像力を豊かにすることが好きで、前衛的である。」と言った。
明るい緑色のプラスチックの恐竜、Dinoのプロトタイプを起動すると、このスマート恐竜は、名前を付けてくれるよう、私に頼んだ。
同僚が、「Leroy Jenkinsではどうか?」と提案すると、このスマート恐竜は、「私の新しい名前は、「Leroy Jenkinsか」と、粗暴な声で答えた。
これらのスマート人形は、ジョーク、ゲーム、物語のレパートリーを持っている。
しかし、スマート恐竜のDinoは、Wi-Fiネットワークでサーバに接続され、IBMのWatson認知システムを使用して、膨大な情報を調べながら、会話している。
IBMのWatson認知システムは、TVのクイズ番組、Jeopardyで、2人の人間のチャンピオンを負かしたことで有名になった。
子供が、スマート恐竜のDinoに、質問すると、Watsonは、それまでの会話の内容や、子供の年令、好み、関心などを考慮して、適切な情報を探し出し、答えを見つけようとするだろう。
例えば、Dinoに、「月はどれくらい遠いか?」と尋ねると、このスマート恐竜は、子供の年令に基づいて、9才の子供には、「楕円軌道で地球を回る、月までの距離は、平均238,900マイルだよ。」と回答し、5才の子供には、「月は、飛行機でも行けないぐらい遠い所にあるよ。」とか、「ロケットに乗っても、月に行くには、2~3日かかるよ。」といった回答を返すようだ。
Dinoは、ブリタニカ百科事典ジュニアよりも、子供の想像力を制限するという分けでないだろう。