楽天が、東京に、シリコンバレーの再構築を試みる。 2015年11月13日
By Eric Pfanner and Alexander Martin、WSJ
東京本社のオフィスにいる、楽天の創設者、三木谷 浩史氏
2015年の夏に、e-コマース会社、楽天は、シリコンバレーのような雰囲気に囲まれた、東京の郊外(二子玉川)のビルに、新たに本社を移転させた。
東京の郊外にある、新たなビルには、多くが、以前から、この地域にいた、楽天の従業員の2/3に相当する、8,000名の社員が働いている。
トヨタ自動車といった、何社かの日本の大手企業は、シリコンバレーにおいても、自分たちの存在感を確立している。
楽天の創設者、三木谷 浩史氏は、東京の郊外にある、二子玉川を、アジアの科学技術の首都にしたいと述べた。
三木谷氏によると、米国は、世界で最も革新的な場所であるが、消費者の動向に関して、他の国よりも、常に進んでいる訳ではないという。
例えば、モバイル・ショッピングにおいて、日本は、他の国よりも進んでおり、米国は、日本に追いつこうとしている。
Amazon.comやAlibaba Group Holdingに対して、オンライン販売の分野で、楽天の答えを作成する取り組みと、東京の郊外をアジアの技術ハブにする取り組みとは、まったく、次元の異なることである。
北京、香港、ソウル、シンガポール、バンガロールといった、他のアジアの都市も、アジアの技術ハブにしたいという、同じような野心を持ってるという。
パナソニックや日立といった、日本の老舗の大手技術メーカは、経済的な重要性が、スタートアップよりも大きい。
日本では、英語を流暢に話せる、IT技術者が不足していることが、雇用を難しくしており、移住制限と他の規制は、問題を複雑にしているという。
5年前、三木谷氏は、楽天の公用語を英語にすると発表し、日本に波風を立てた。
公用語を英語にすることで、外国のワーカが、楽天に加わり、働くことが容易になった。
三木谷氏によると、現在、楽天では、技術者の40%、新たに雇用したエンジニアリングの80%が、外国人であるという。
楽天や他の日本の企業は、海外からのIT関連のワーカの支援を必要としている。
三木谷氏によると、日本の情報科学を学んだ、大学の卒業者数は、毎年、約2万人しかいないが、これに対し、米国は16万人、中国は100万人いるという。
「能力が同じならば、海外の豊富な人材を活用してはどうだろう?」と三木谷氏は述べた。
楽天は、シリコンバレーにも拠点を持っており、カリフォルニアのSan Mateoのオフィスに、同社のオペレーションを統合している。
三木谷氏は、デジタル経済に関連しているように、日本を維持することにも、積極的に取り組んでいる。
自由民主党への政策提言において、三木谷氏は、より多くの外国のワーカを日本に招き入れることや、移住嫌いな日本の厄介な問題を評価することを含み、日本経済を近代化するために手を打つよう、安倍晋三首相の政府を促したという。
2015年9月に、三木谷氏は、世界で最も高い、日本の携帯電話料金を下げる方法を考慮するよう、安倍晋三首相の政府を促していた。
三木谷氏によると、携帯電話料金が下がれば、顧客は、スマートフォンで、インターネットに、より長く留まり、楽天などのサービスを、さらに使用するようになるという。
2015年の初めに、三木谷氏は、安倍首相が、カリフォルニアを訪問中に、米国の技術リーダとのミーティングを主催した。
安倍首相は、日本の携帯電話料金が高いのは、ソフトバックを含む、日本の3大モバイル・ネットワーク・オペレータの株価の下落が原因だろとコメントした。
楽天の三木谷氏は、東京を擁護しているが、ソフトバンクの孫氏は、ときどき、波風を立てている。
三木谷氏は、税金を減らすために、投資アームを、ロンドンに広げたという。
楽天を設立する前に、投資銀行家として働いていた、三木谷氏は、孫氏を、最大の顧客の1人であり、友人でもあったと述べたが、電気通信政策の話になると、2人の意見が合わず、対立していたという。