どうしてこうも日本人はふわふわ、もこもこのゆるキャラが大好きなんだろう。
そんな光景を目にしたので取材した。
場所は新宿東口のアルタ前のステーションスクエア。ここは企業がサンプリングをする場所としてはあまりにも有名だ。
11月9日を「タピオカの日」と勝手に決めてしまった安曇野食品工房がこの日、同社のTAPIOCA TIME ブラックタピオカ ミルクティー/カフェラテのタピオカの日記念パッケージのうち、ミルクティーバージョンをサンプリングする「タピオカフェ」が1日限定でオープンした。
朝から1時間おきにおよそ20分間、夕方の5時まで、用意したおよそ3500あまりの商品を道行く人に配りまくるという戦術だ。
新宿はそもそも人が多いのに、そこへでっかい見たこともないゆるキャラが登場し、無料でタピオカドリンクが配られているのだから大変だ。
行列はみるみる膨れ上がり、あっという間にアルタ前が人で埋まった。
登場したゆるキャラ「タピまる」は、タピオカの妖精ということになっていて、11月9日が誕生日という。しかし年齢はおろか詳細なキャラ設定も不明。しかも、この日がお披露目初日という無謀さ。
しかし、誰もが初めて見るタピまるに対して、大勢の人が詰めかけ、記念写真を撮ったり触ったり、抱き着いたりと大変な騒ぎ。
ところで、タピオカの日と勝手に決めたその理由を聞いてみた。
同社の説明によると、2002年11月に初めてチルドカップ容器で製造販売を開始したのが11月、台湾でタピオカドリンクのことを「QQドリンク」と呼び、同社でも「Q~PON」と呼んでいたことから、11月とQ=9つながりで11月9日にしたというかなり無理のある設定。
しかし、一般社団法人日本記念日協会から公式に認定を受けているので、文句を言う筋合いのものでもない。
記者が取材した16時台の最後の1つを小さな女の子に配り終えた。
担当者に初登場のタピまるについてPR担当者に聞いてみた。
「いや、びっくりしました。朝は外国人観光客の方が多かったのですが、それはそうですよね。まだ誰も知らないキャラクターがいきなり登場してもわからないですから。でも、午後になってガラッと変わりました。ご覧のとおり、若い男女で大盛況です。無料でもらえるドリンクよりも、タピまると写真を撮ろうとする人の方が並んでいる時間もあるくらいです。日本人はやはりゆるキャラ大好きなんですね。この調子でいけば、船橋のキャラクターを抜く日も近いかも」
などと、ゆるいコメントをしてくれた。
TAPIOCA TIME ブラックタピオカはミルクティー、カフェラテ、どちらも200グラム入り、税込み183円で、すでに全国で発売されている。
パッケージに印刷されたタピまるとともに、ほっと一息入れてみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影