今日、沢田研二さんのコンサートツアー『こっちの水苦いぞ』が東京国際フォーラムで千秋楽を迎えた。
今回のツアーではセットリストのほとんどを、今年4月に亡くなった元・プロデューサーの加瀬邦彦さんが手がけた『危険なふたり』(1973年)、『恋のバットチューニング』(1980年)など往年のヒット曲で構成し、MCでもプライベートの交流を振り返って自分なりの哀悼の意を捧げていた沢田さん。
千秋楽の今日はさらに、アンコールで加瀬さんが所属したザ・ワイルドワンズの代表曲『想い出の渚』を歌い上げファンの涙を誘った。
ピアノの伴奏にあわせ、携帯電話で歌詞を見ながら訥々と歌う姿に、途中でワイルドワンズのメンバー鳥塚繁樹さんと島英二さんが駆け寄ったが、声をつまらせ嗚咽する一幕も見られた。
沢田さんがザ・タイガース解散後にソロシンガーとして飛躍できたのは、ひとえに先進的なプロデュース力を持った加瀬さんがいたからこそ。
数多くのヒット曲を提供したのはもちろん、自ら作曲せずとも『ス・ト・リ・ッ・パ・ー』(1981年)、『6番目のユ・ウ・ウ・ツ』(1982年)など、歌謡曲の概念をこえたトンガった楽曲の制作には、ネオ・ロカビリー、ニューロマンティックなどヨーロッパの最新音楽事情に精通した加瀬さんの陰があった。
亡くなってもなお消えない遺徳と素晴らしい音楽にあらためて敬意を表したい。
※画像は『Amazon』から引用しました
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