Fanucは、東京の人工知能(AI)ベンチャー、Preferred Networksの6%の株を取得する計画である。 2015年8月21日
By Takashi Mochizuki、WSJ
日本の産業ロボット・メーカ、Fanucは、自己学習し、他のロボットを修理することもできる、産業ロボットを開発する取り組みの一貫として、人工知能ベンチャーとのタイアップを強化するために、東京に拠点を持つ、Preferred Networks(PFN)という、人工知能のベンチャーに、9億円(730万ドル)を投資し、同社の6%の株を取得する計画であると発表した。
FanucとPreferred Networksは、2015年の6月に、人間の監督をあまり要求しない、産業ロボットを開発することで、基本的なパートナーシップを締結している。
FanucのCEO、Yoshiharu Inaba氏によると、Fanucの2台の黄色い、産業ロボットは、AIロボットの研究と開発で協調するために、既に、Preferred Networksのオフィスに設置されているという。
Preferred Networksは、特に深層学習(マシンの自己学習プログラムの一種)の分野で、世界で最も進んだ、人工知能(AI)技術会社の1社である。
ファクトリー・オートメーションにおいて使用されるよう設計された、Preferred Networksの人工知能(AI)技術は、産業ロボットを、よりスマートにする。
Fanucは、自分で独自のワークフローを最適化し、他の産業ロボットを修理できるような、産業ロボットを開発するために、Preferred NetworksのAI技術を利用する意向である。
Fanucの産業ロボットと、Preferred NetworksのAI技術を結合することは、Fanucの長期戦略において、必要なステップであると、Macquarie Securitiesのアナリスト、Kenjin Hotta氏は述べた。
Preferred NetworksのCEO、Toru Nishikawa氏は、FanucとPreferred Networksが、2016年の初旬に、AI技術を搭載した、産業ロボットのプロトタイプを発表する意向であると述べた。
Fanucは、AppleのiPhoneやTesla Motorsの電気自動車といった、製品を組み立てるのを支援する、Preferred NetworksのAI技術を利用した、学習能力のある産業ロボットを開発する。
Appleは、世界のスマートフォン・ブームで、大きな利益を上げてきたが、中国経済が、低迷してきたことや、Androidベースのスマートフォンが増えたことで、利益が減少してきており、この数週間で、株価が15%以上も下がった。
AIの深層学習分野は、GoogleやAppleを含む、世界の主なITベンダの、投資ターゲットの1つになっている。
Googleは、2014年に、ロンドンにある、AIの深層学習分野のスタートアップを、5億ドルで買収している。
Googleは、検索などのWebサービスが、インターネットに、アップロードされた、写真に写っている人物の顔を認識し、その人の名前を、自動的にタグ付けしたり、パーソナル・デジタル・アシスタントのようなアプリが、ユーザと音声による自然言語で会話し、ユーザの要求や好みや行動を学習し、最適な情報を提供したり、できるようにするために、深層学習技術を使用している。
NT&T(Nippon Telegraph & Telephone)は、2014年に、Preferred Networksの株式の10%未満を、2億円で取得している。
Preferred Networksは、Toyota Motors、Panasonic、および、Cisco Systemsとも提携し、協業している。