テレビ対局。それはすべての麻雀愛好家が憧れる晴れの舞台だ。一般から出ようとしたら様々な大会で勝ち上がらなければいけない。
しかし、選ばれてそこに出場する麻雀打ちがいる。著名人の雀士や打ち手の理想となる麻雀プロだ。
彼らは選ばれて出場するが故に、ミスが許されない重いプレッシャーの中で戦うことになる。今回はそんな彼らの対局の中で特に印象深く、そして奇跡をも信じさせるようなミラクルな対局を紹介したい。
まずは王道の萩原聖人の四暗刻だ。悪く言えば同じ牌を揃えるだけの役満だが、そこには山読み能力、危険牌察知能力、そして妥協しない強い精神力が必要になる。
萩原は暗刻一つ、対子三つという四暗刻が見える配牌から
ストレートに四暗刻にまとめ上げ、深い巡目で八索のカンで嶺上牌から上がり牌を掘り当てた。
まさにエンターテイナーといえる上がりである。大舞台であればあるほど力を発揮する男だ。
(放送URL http://live.nicovideo.jp/watch/lv187925620)
対照的に感じたのが、大崎初音の四暗刻である。
対子2つの、四暗刻とは真逆の平和手が見える配牌だ。解説も四暗刻のすの字も言わない。
二段目になってやっと暗刻がひとつ出来ただけだ。
しかしここから両面ターツを崩し、白をスルーして四暗刻をツモり上げた。
まさに「柔」の生み出した役満である。
(放送URL http://live.nicovideo.jp/watch/lv169883871)
最後にもうひとつ、どうしても紹介したい対局がある。
四暗刻には妥協しない強い精神力が必要と書いたが、妥協しない強い精神力の究極系がこの一局だ。スリアロトーナメントでの中田功の一局である。
まず大トップ目で絶好の北単騎でチートイをテンパイ。
そして
あっさりツモるも、これを拒否。
更に八萬単騎の出和了も拒否し、この満貫を上がり切る。
トップ目で局が消化でき、点棒も増える上がりを拒否する。こんなことが出来る打ち手が世界に何人いるだろう。これらを見て、感動すると同時に強い精神力は往々にして奇跡を起こすのだとわかる。麻雀、そして人間とは不思議なものだ。
麻雀とはドラマに似ている。
キャストは対局者で、1半荘、1局、1打にドラマがある。
安い手を和了らず、満貫を和了った中田の人間性がこの対局にはうつっていたと思う。
スリアロチャンネル
http://ch.nicovideo.jp/marchao