公立大学の年収3.1億円とは?
アメリカの公立教育機関で一番の高給取りといえば、大学のアメフトコーチになるだろう。この度、来シーズンからの契約を結んだ敏腕コーチの契約額はなんと400万ドル!日本円にして約3.1億円(1ドル77円換算)である。
オハイオ州立大学は来シーズンからアーバン メイヤー氏を年収約3.1億円でコーチとして迎えることになった。契約ではこの固定給に加え、指導を続けることで2年毎にボーナスが支給される。そればかりかチームが選抜試合に出場することや大会での白星などでその都度コーチは云千万単位のボーナスを得ることになるという。待遇としては毎月1200ドル(約9万3千円)の車両関係経費、カントリークラブの会員権、プライベートジェットの使用などなど。
ちなみに同大学の学長は学長として全米一の高給取りなのだが、メイヤーコーチの年収はその3倍にもあたる。なぜそんなに高給取りなのか、まして公立の大学にそれだけの収入源がどこにあるのかと私たち日本人は疑問に思うかもしれない。
ここアメリカでのフットボール人気は尋常ではなく、この景気で経費削減や学費の増加をしてもコーチの給料は上がり続けるばかり。調査によると主要大学のフットボールコーチの平均年収は2006年の140万ドル(約1.1億円)が2011年には212.5万ドル(約1.65億円)となっている。大学のフットボールコーチがどれだけ影響力があるかは先日のペンシルベニア州立大学の事件をもって周知ではあるが、この年収額、景気の悪さとは程遠く、また教育者というよりはスポーツ選手並みの数字である。
しかしもちろんこれには理由がある。メイヤー氏は20年の大学フットボールでのコーチ経験に加え、BSCゲーム(そのシーズンの上位2チームが戦う試合)においてフロリダ大学を2回出場中2回共勝利に導くなど、数々の試合においてチームを優勝に導いてきた名コーチなのである。
アメリカにおいて大学の教育レベルは学費に反映される傾向にある。それはこのような人気スポーツを支え、またスポーツを通して大学の知名度にも貢献することで学生数も確保し、多くのよき人材を発掘する手助けにもなっている。一概に学費増額を恨めないのかもしれない。