福島県から新潟へ向かう。
新潟に着ければあとは南に下るだけ。
富山・石川・福井と進んでいける。
14日までに福井県に着かなければならない。
父の四十九日があるのだ。
郡山市までヒッチハイクを開始する、が、なかなか見つからない。
南相馬から郡山に向かう車は極端にすくなく4時間以上足止めを食らう。
郡山まで35km、下道での移動はやはり難しいと判断判断し高速道路に乗る車に乗せていただく。
一旦、いわき方面に向かい、そこから郡山へと向かう。
と、ここでトラブルが発生した。
機材トラブル、配信用Xperiaの操作に使用していたマウスが断線、使い物にならなくなってしまった。
阿武隈高原SA、ここから下道に降りて電気屋まで歩く。
ケーズデンキまでおよそ6km、歩ける距離だ。
山道を上っていき頂上付近で一休み。
もうこの靴は駄目だ、完全に穴があいてしまった。
ズボンも両膝に大きな穴が空いていた。
一見すると、まるでホームレスのようだった。
町に着いたらズボンと靴を新調しよう。
ホームセンターを見つけたので丈夫な靴とズボンを購入する。
マウスも無事買えた。
近くに、すき家を見つける。
生放送を見ているリスナーから耳寄り情報を教えてもらった。
なんでもメニューに無いキングサイズという牛丼があるらしい。
半信半疑、店員さんに注文してみると本当にあると言う。
注文から提供まで早さが売りのすき家が時間を掛けている。
「お待たせしました」目の前に置かれたキングサイズは、肉の山だった。
巨大な器にタップリと乗せられた肉肉肉、肉好きには堪らない光景、顔がにやつく。
一度、イヤと言うほど牛丼を食ってみたかった。
ささやかな夢が叶う。いただきます。
その後、阿武隈高原SAに戻り就寝。
暖房の効いた屋内、机に突っ伏しすぐに寝た。
この旅で出会う人達とは一期一会となる。
出会いと別れを繰り返す旅、いままでもらった沢山の笑顔と優しさを思い出す。
なにも御返しは出来ないけれど、この優しい気持ちはどこか誰かに分けて上げたい。
人は、優しくされると嬉しくなり他の人にも優しくなれる、そういう生き物なのだ。
旅を終えたとき、自分も今まで出会った優しい人達のようになりたいと思った。