グローブの神様は奈良県にいた!

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境内にグローブがあるのは日本唯一?

奈良県郡山市にある郡山八幡神社は大和グラブ神社とも呼ばれている。奈良県は1915年から県の産業としてグラブ製造を行っており今年は記念すべき100周年。毎年9月6日以降の土曜日には朝10時から境内で「グラブ祭り」を開催し、ボール回し日本一選手権、野球ひじ予防練習、スローイング・キャッチングの指導を無料で行っている。グラブ神社と呼ばれるだけあって多くの野球少年達が訪れ、絵馬には「最高のピッチングをして優勝出来ますように」など野球関連の願い事が目立つ。中には小学校低学年の字で「はんしんのキャッチャーになれますように」と書かれたものもあった。このグラブ神社は近鉄郡山駅から徒歩約10分。また、近鉄郡山駅西口すぐのところにはグラブを中心に製造、販売しているBBAグラブ工房がある。

大和魂の込もったグローブを


グラブ市場はほとんどが外国産の大手メーカーに占められているが、BBAグラブ工房では「国産」「上達」「本物」を求めて手作りにこだわっている。しかも、全て最高級の牛皮を使っているにも関わらず値段は一般的なスポーツ店と変わらない。

神奈川から購入に訪れた中学野球部顧問を務める男性はBBAグラブ工房のグローブについて「捕った時の音が違う。ファーストの子が初めてBBAのグローブで送球を受けて驚いた時の顔が忘れられない」と話す。

何よりの特徴は捕球のしやすさ。一般的なグローブではポケットの芯で捕らなければ弾いてしまうが、BBAグラブ工房のものは素手のまま掴み取る感覚に近い。単に柔らかいということではなく、可動域が大きい。そのため小さめの練習用グローブをはめた人の感想は「小さいのに大きく感じる」というものが多い。大手メーカーはグローブにコーティングを施すため、同じ品番の製品は全く同じ色の全く同じ物が店頭に並ぶ。しかし、BBAグラブ工房ではより素手の感覚に近づけるためコーティングを行わない。実際、顔を近づけてよく見ると牛の皮についた小さな傷がそのまま残っており1つ1つ僅かながら違いがあることがわかる。見栄えを取るか、素手の感覚を大事にするかの選択で後者を選んだ。もちろん傷と言っても注意して見なければわからない特に気になるようなものでは無く、素手に近いので握り変えが素早く行える。二遊間の選手がBBAグラブ工房のグローブを使うと普通のグローブを使った時と比べて、捕球から併殺完成までのタイムが向上した例もある。

グラブ博士の梅原伸宏さんは、グローブに関する本を出版した功績が認められアメリカの野球殿堂博物館から表彰されたほど。被災地や海外の子供たちに野球道具を送る支援も積極的に行っている。他メーカーのグローブ修理も可能で、野球用品以外にも最高級の牛皮を使った財布やカバンも扱っている。

1988年1月19日大阪府生まれ、京都府宮津市育ち。大学野球連盟の学生委員や独立リーグのインターン、女子プロ野球の記録員を経験。野球専門誌「Baseball Times」にて阪神タイガースを担当しスポーツナビやYahoo!ニュース個人、高校野球ドットコムにも寄稿する。大阪、京都を中心に関西の球場に出没中。

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