カッコいい、漢字

  by maggiechen  Tags :  

 漢字がカッコいい、新鮮だ。そんな気運が中国の若者達の間で広がっている。今になって、それも中国で、漢字が見直されているとは。いや、単なる漢字ではない。繁体字と呼ばれる文字が、である。
 ご存じの通り、現在中国で使われているのは簡体字。従来の漢字、つまり繁体字を簡略化したもの。国民にもっと漢字に親しみを持ってもらおうと、政府が打って出た策だ。中国大陸の大部分ではこの簡体字が主流。対して香港や台湾では、今でも繁体字が主流だ。
 最近になって中国の若者の間で高まってきた、繁体字の人気。その理由のひとつは、カッコいいから。いかにも若者らしいという気がする。確かに、書き順の多い複雑な字の方が、カッコよく見えるというのはわかる。色々な要素が組み合わさったといった雰囲気を持っていて。更に若者たちは、繁体字は新鮮に感じるという。それも然りだろう。普段自分たちが使って慣れ親しんでいる漢字。その元であるもっと難しい字を見て、同じ字ながらこうも違うのかと改めて発見があるのは自然なことだ。
 簡体字の中には、従来の繁体字の形をあまりとどめていないほどにまで簡略化されてしまったものもある。漢字がわかる日本人としては、そこまで簡単にしなくてもと、おせっかいな気持ちになる。中国では簡体字の使用が、法律で決められているそうだが。若者たちの間でちょっとした繁体字ブームが広がっているのは、原点回帰といったようなもので、喜ばしいことではないだろうか。
 香港や台湾で使われている繁体字は、日本の旧漢字に近いので、結構親しみを覚える。が、特にこのところ特に香港では、繁体字を街中で見かけることが多くなったそうだ。それはもちろん、中国大陸からの観光客の大幅な増加が大きな理由である。ここにも、急激に成長しつつある中国の勢力拡大の一片を見るようで、ちょっと複雑な気持ちになる。やはり混沌とした雰囲気が魅力の香港には、繁体字が似合うと思うのだが。
 カッコよさでもいい。新発見ならなおいい。繁体字に好感を持つ若者が中国に増えつつある。それは、急速にに外へと広がりを見せる中国にあって、自分たちの内を見直してみようという、歓迎すべき風潮であるような気がする。
 
 

英語OK!中国語ちょっと。広東語少し。台湾、香港にはちょっとうるさい旅好き。星占い結構。タロットかなり。風水、手相、人相少々。占い、スピリチュアルにはかなりうるさいスピマニア。見せかけの本業は塾・予備校講師。でも書くことにも相当こだわりがあり。

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