22日夜、「第27回国民文化祭とくしま2012プレフェスティバル」が徳島県徳島市のあわぎんホールで開かれた。プロ音楽家で編成されたとくしま記念オーケストラ(音楽監督・秋山和慶)による演奏をはじめ、阿波人形浄瑠璃研究会青年座の木偶、阿波おどりの映像など、徳島県の有名な文化をあつめた公演が行われた。
国民文化祭は「文化の国体」と呼ばれ、今年度は京都で行われる。各都道府県が毎年持ち回りで実施することになっているが、2012年度は手を挙げる自治体が他に無かったため、2007年度にも実施した徳島県が開催することになった。同じ都道府県で国民文化祭が二度行われるのは史上初めてとなる。
競技場を新設し、1000億円規模の予算がある国体にくらべ、国民文化祭は開催時にコンサートホールを新しく揃えることもないため、規模は小さい。また、「吹奏楽の祭典」「合唱の祭典」など文化庁が定めたいくつかのイベント以外は基本的に各自治体が自由に実施することになっている。例えば2007年の徳島での国民文化祭では「機動戦士ガンダム」の原作者である富野由悠季氏の講演会や、県内のどこかの地点から予告なく花火を打ち上げる「見えたらラッキー花火」など、ジャンルを問わず様々なイベントが行われた。それらのイベントの予算は都道府県をはじめ自治体が負担する。徳島県のように進んで実施したい自治体がある一方で、敬遠する自治体も多いようだ。
同じ自治体で二度開催するよりも、持ち回りで順序を守るほうが国全体での文化振興になると思う。そこまで知名度が高くなく、開催を希望する自治体が少ない現状の国民文化祭、もう一度二度目の開催をする都道府県を出す前に、少し見直しをする必要がありそうだ。
(写真は筆者撮影。演奏中は撮影禁止であった)