飛行機に乗っていて乱気流に巻き込まれた時に、主翼の先端が上下に大きくミシミシしなっているのを見て、「今にも空中分解するんじゃないか」なんて恐怖に襲われた経験、ありませんか? 特に最新型であるボーイング787型機の翼は細くてよくしなり、見ていてなんだか頼りない感じがします。
でもご安心を! ここでボーイング社が787型機の主翼の荷重テストを行った時の映像をご覧いただきましょう。
動画:Boeing 787 Wing Testing.m4v(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=meEG7VwjTew [リンク]
どうですか、このしなり具合。1mどころか3mぐらい荷重をかけてもまだまだ余裕な感じです。同社のリリースによると、民間機が運航中に予想される最大値の150%の荷重を機体に加え、主翼は上方に約25フィート(7.6m)も屈曲したそうです。
さて、このよくしなる翼を支えているのが日本の技術だということはご存知でしょうか。787型機の主翼は、重さは鉄の4分の1、強度は10倍、弾力があって錆びることもないという理想的な構造材料・炭素繊維複合素材でできています。当初は成形加工が難しく、コストが非常に高くつくという短所があったのですが、それを克服してきたのが日本のメーカー。そして現在、ボーイング社に炭素繊維複合素材を独占的に供給しているのが炭素繊維シェア世界一の東レ。17日には、ボーイング社から1兆円分もの受注を獲得したとの発表がありました。
あの細長くて一見頼りなさそうに見える翼も、実は日本人研究者たちが精魂込めて磨き上げてきた技術が込められていると知ってみれば、これからは安心して飛行機に乗れそうな気がしませんか。
画像とソース引用:ボーイング社プレスリリース [リンク]