2014年8月。代々木公園でデング熱ウィルスを持つ蚊に刺され、デング熱を発症した人が続々と見つかりました。その数累計70人(9月5日現在)。
■デング熱とは?
まずはデング熱とは、デングウィルスを媒介する蚊に刺されることで感染する病気です。人から人へ感染することはありません。
媒介する蚊は「ネッタイシマカ」と「ヒトスジシマカ」です。この中で日本に生息している蚊がヒトスジシマカ。いわゆるヤブ蚊です。
北は秋田県や岩手県あたりから南は沖縄県まで広く生息しており、公園などの自然な環境を好んでいるため、代々木公園にヒトスジシマカが居てもおかしくはありません。逆に家屋でよく見かけるイエカなどに刺されても感染することはないのでご安心ください。
このデング熱、約70年ぶりに日本で流行ったわけですが、前回は第二次世界大戦で南方の戦地から帰還した人たちが持ち込み、一時期九州地方を中心に流行りました。
つまり元々ヒトスジシマカは日本に生息しているため、デング熱ウィルスさえあれば日本でも流行する可能性は大いにあったわけです。
■デング熱の治療とは?
デング熱に感染しても特別な治療法はありません。すべて対処療法となります。
デング熱を罹ったからといって、致死率は0.01%~0・03%ほど。ゼロではないけれど、大騒ぎするほどでもないのです。
しかしデング熱が悪化した場合、デング出血熱におち入り、肝臓の腫大などによる出血症状が出てショック状態となり、致死率は3~6%にも高まります。なお、糖尿病や高血圧、癌などの患者は致死率37%に跳ね上がるので、かなり警戒が必要となります。
日本でデング熱を診断した医師は少ないでしょうから、デング熱かもしれないと疑ったら、迷わず大きめの病院へ行きましょう。
なお、解熱剤はアセトアミノフェンを飲み、出血を防ぐために歯磨きは控えましょう。デング熱の疑いがあるときは、けっして抗血小板作用のあるアスピリンを摂取することは止めてください。
■出産時に次ぐ、つらさが怖いデング熱
海外在住の筆者は、数年前にデング熱を患ったことがありますが、出産時に次ぐつらさが数日続き、寝るのもつらく、座るのもつらく、もちろん歩くのもつらい状態で、約1週間ほど朦朧としていた記憶があります。あのつらさなら、ゲーム依存症の子どもでさえゲームをする気が失せることでしょう。
具体的な症状としては、急激な40度ほどの発熱・頭痛・眼窩痛・筋肉痛・関節痛・食欲不振・便秘・発疹などですが、筆者の場合は発疹は出ませんでした。
また、筆者はデング熱を発病したさいに生理が来たので、ホルモン注射で生理と止めました。
その後の数ヶ月、ホルモンバランスの崩れからか生理前に決まって3日間だけ気持ちが落ち込むという、いわゆるPMS(月経前症候群)の1つの症状がでたのです。
デング熱もつらいものがありましたが、その後のPMSも社会生活を営む上で重荷となりました。男性陣には不要の心配ですが。
■デング熱の今後
現在デング熱ワクチンの開発競争が続いており、数年の内には何かしら結果が出そうですが、まだ市販できる状態ではありません。
日本はこれから秋となってデング熱パニックは収束に向かうでしょうが、いつまた流行るかもしれません。パンデミックになる前に、ワクチンが市販されることを望むばかりです。
画像提供:iPhone App 3D Camera crosseye Photo:The mosquito inhaled blood 血を吸った蚊 / pinboke_planet https://www.flickr.com/photos/pinboke/4758628989/