『マジック2015』のデッキタイプの1つである「混沌と虐殺」は、赤と黒の2色で構成されたデッキです。
マナカーブはやや左寄りで、高速展開が強みです。
プレイスタイルとしては、赤の軽量火力と黒のマイナスエンチャントや手札破壊を頼りに敵の展開を遅らせ、その間にこちらの場に1~2マナの軽量クリーチャーを大量に展開します。
序盤の主力を任せるクリーチャーはこちらの「流血の鑑定人」。
味方を生贄に捧げることで自身を強化する能力を持っています。
自軍のクリーチャーは非力なものが多いため、2/3程度のブロッカーにも苦戦を強いられることがあります。そういう時にクリーチャーを生贄に捧げて「流血の鑑定人」をパンプアップさせ、殴り勝ちます。
相手が序盤に展開してくるクリーチャーは「ショック」で焼き払ったり、「死の重み(-2/-2修正を加えるオーラ)」でタフネスを0以下にして破壊します。
赤を代表するカードであり、「赤は火力」と言わしめる強さを持った「ショック」は利用の幅がとても広い優秀な呪文です。
赤1マナで唱えることができ、クリーチャーかプレイヤーのどちらも対象に取れるため手札で腐ることがまずありません。これを唱えるだけでタフネスが2以下の大抵のクリーチャーは破壊できますし、インスタント・タイミングで唱えられるので奇襲にも向いています。クリーチャーがいない時やデュエル終盤で引いた際は、プレイヤーへの追加ダメージ目的で使うこともあります。
こちらが展開するクリーチャーは、黒1マナの「アスフォデルの放浪者(再生持ちだが再生コストが重い)」や「死の信者(自身をプレイヤーに投げ飛ばす能力つき)」、「苛まれし英雄(2/1だがタップ状態で出る)」、赤1マナの「鋳造所通りの住人(赤のクリーチャーを唱えるとパンプアップ)」、「サテュロスの重装歩兵(これを対象に取る呪文を唱えるとパンプアップ)」などです。
「クレンコの命令(上記画像)」のように複数のクリーチャー・トークンを一度に生み出せる呪文も積極的に唱え、「流血の鑑定人」の”エサ”をせっせと溜め込みます。
またその際は、「ゴブリンの付け火魔(死んだ時に1点火力になる)」のように死亡した時に更なる追加効果を得られるクリーチャーや、「恐血鬼(上記画像)」のように何度でも復活してくるクリーチャーを含めておくとより高いシナジーを発揮してくれます。
「崖崩れの精霊」も「流血の鑑定人」と相性の良いクリーチャーです。こちらは他のクリーチャーが死亡するたびにパンプアップする能力を持っているため、「流血の鑑定人」によって味方を生贄に捧げた際だけでなく、パンプアップされた「流血の鑑定人」が戦闘時に相手クリーチャーを破壊した際にも強化されるため、うまく使えばすごい勢いで膨らんでいきます。これ自身が先制攻撃持ちというのもポイント。
序盤は2マナの「歩く死骸(2/2バニラ)」あたりまでをエサとし、以降は中盤戦で活躍してもらいます。
「夜の子(上記画像)」は絆魂(はんこん)を持っており、ダメージを与えた際にそのダメージを吸収してくれます。3マナの「呪われたスピリット(3/2 威嚇)」はアーティファクト・クリーチャーか黒のクリーチャーでしかブロックできないため、異なる色を使う相手の場合容易にダメージを通せます。
序盤の展開次第になりますが、中盤になると「流血の鑑定人」や「崖崩れの精霊」が4/4程度に膨らんでいることが多いため、そのまま押し切れる可能性も高まっているはずです。
マナ基板が整ってきたら大掛かりな仕掛けを仕込みます。
「燃え投げの小悪魔」は、死亡した時に3点のダメージを飛ばせるスグレモノ。召喚した直後に「流血の鑑定人」によって生贄に捧げても無駄になりません。
更に「反逆の行動」を唱えて敵主力クリーチャーを一時的に奪い取ります。
この時、コントロールを得た段階でそのクリーチャーはアンタップされると同時にターン終了時まで速攻を得るため、(この後に戦闘フェイズが来るなら)攻撃に参加できます。同士討ちやプレイヤーへの追加ダメージを狙い、その後で用の済んだ敵クリーチャーを「流血の鑑定人」に捧げることでパンプアップと排除を同時に行います。「崖崩れの精霊」も出ていれば効果は倍です。
マナに余裕がある時は「護符破りの小悪魔」を出して、墓地に落ちた「ショック」や「反逆の行動」などを回収しても良いでしょう。
エンドカードはこちらの「寛大な拷問者」です。パワーが5もあり飛行を持つためフィニッシャーとして活躍してくれます。
しかしこのカードの強みはもう1つの能力にあります。「寛大な拷問者」が場に存在している限り、自分のアップキープ(ターンの最初、ドローの直前)に能力が発動し、対戦相手に「クリーチャーを1体生贄に捧げる」「3点のライフを支払う」「拒否する」という3択を迫ります。
拒否した場合は通常のドローに加えてもう1枚カードを引くことができます。使ってみるとわかりますが、マジックのデュエルにおいて「カードを引く」ことは時として戦局をも左右するほどに大きな影響があります。土地の補充、手札の補充、パーマネントの補充、コンボパーツのサーチなど、カードを引くだけで得られる可能性のあるメリットは非常に多いものです。
このため「寛大な拷問者」が早い段階から手札にある場合は、召喚できるだけのマナが揃った時点で優先的に唱えても良いかもしれません。
一部のカード(恐血鬼など)はデッキに入っていないためブースターから入手する必要があります。