戦略シミュレーションを駆使した対戦がアツいカードゲーム『マジック2015』の遊び方

1993年、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社によってそれまで存在していなかった「トレーディングカードゲーム」というジャンルと共に『マジック:ザ・ギャザリング』は誕生しました。

戦略性の高さや複雑なルーリングから熱狂的なファンを大勢抱えており、「もっともよく遊ばれているTCG」など複数のギネスレコードも保有しています。

今年7月に登場した最新版『マジック2015』は実物のカードだけでなく、PC(STEAM)、Xbox 360(Xbox Live アーケード)、Android(Google Play / Amazon Androidアプリストア)、iPad(AppStore)で電子版をプレイすることもできます(AndroidおよびiOSは主にタブレット用)。

Android/iPad版はアプリのインストール時に料金がかからないためお手軽ですが、PC版なども含めてセーブデータの移行はできません

更に米ウィザーズ・オブ・ザ・コースト公式のWindows用ゲーム「Magic Online」なども提供されており、こちらは2002年以降に登場した全てのカードが使える、インターネット上の認定大会に出場できる、ドラフトやシールド等マジックの豊富なフォーマットが遊べる等の魅力があるものの英語のみです(読めれば日本でもプレイ可能)。

イチから戦略を組んでプレイできるようになった電子版マジック

『マジック2015』にはデッキビルダーが搭載されており、入手したカードの中から好きなものを集めてオリジナルのデッキを構築できます。

カードは5種類の「色」(白、緑、赤、青、黒)とその亜種(無色のものや複数の色がついた「多色」カード等)によって分類され、それぞれ対応した「土地カード」から抽出される「マナ」を使って唱えます。

このため、対戦時はフィールドに土地を揃えるまで呪文が唱えられず、また呪文によって必要なマナ・コストも異なるためカードの選び方はとても重要になります。

チュートリアル完了時やキャンペーン(クエストモード)達成時などに、2色程度で構築されたデッキを入手できます。これをベースとして微調整を行なうこともできるため、カードの種類や特性を把握するまでは構築済みのデッキを使っても良いでしょう。なかなか強力です。

デッキを調整する際はカードの能力と必要なマナ・コストを天秤にかけつつデッキに組み込むかを決定します。

ダブルタップしてズームすると詳細確認ができ、カードの持つ能力についても確認しながらデッキを組み上げられるので初心者にも優しくなっています。

少ないコストで唱えられるカードは序盤から場に展開できるため即効性が高く、反面性能が低いため中盤以降にゲームを決めるだけのパワーが出せません。
唱えるのに大量のコストを必要とするカードは相応に強力ですが、重いカードばかりが揃ってしまうと何もできず、相手に先制を許してしまいがちになります。
これらのバランスも重要です。デッキの枚数には上限がありませんが、土地カードも含まれるためシャッフル次第で偏りが生じた際、土地が引けずに重い呪文が手札で腐ってしまったり、キーカードが引けず膠着状態のまま押し負けるといった危険性も生じてきます。

また、カードによってはデメリットを抱えるが故に少ないコストで唱えられる強力なものもあります。

デッキに含まれるカードのマナ・コスト比率(1マナ必要なカードの枚数、2マナ必要なカードの枚数…)をグラフ化したものを「マナカーブ」と呼びます。

軽いカードを大量展開してゲームを素早く決める速攻系デッキなどはこのカーブが左寄りとなり、強力なクリーチャーやトリッキーな呪文を使うコントロール系デッキなどは右寄りとなる傾向があります。

これらを参考にしてデッキを組み上げます。デッキは複数作成でき、ゲームで使用する場合は「デッキを装備」して切換えられるので、色や作戦によっていくつかのパターンを組み上げておき、対戦相手のデッキタイプによって使い分けるのと良いかと思われます。

カードは組み合わせ次第で更に強力になることもあります。こうした特性を相乗効果(シナジー)と呼びます。強力なシナジーの例としては、

  • ・「対象のクリーチャー1体をタップする」能力を起動し、続いて「タップ状態のクリーチャーを1体破壊する」能力を起動することで戦闘前に敵ブロッカーを排除する
  • ・あえて自分の手札やライブラリー(山札)のカードを墓地に置き、リアニメイト(復活)系呪文を唱えることで重たいマナ・コストを踏み倒す
  • ・接死(これを持つクリーチャーがクリーチャーにダメージを与えた場合、ダメージ量に関係なくそのクリーチャーを破壊する)持ちの攻撃時に、何らかの形で対戦相手のクリーチャーに防御を強制する

など、千差万別。

複数のカードを組み合わせて強力なコンボを発生させ、対戦相手の度肝を抜くようなプレイングが成功すると非常に爽快です。

デッキビルダーにはオートコンプリート機能がついており、キーカードを選んでからオートコンプリートを実行することで他のカードを自動で組み込むこともできます。

キャンペーンに勝利するとカードをゲット!

キャンペーンはいわゆるCOM対戦モードです。最初はほとんどロックされており、勝利するたびに次のキャンペーンが開放されていきます。

キャンペーンデュエルに勝利するとブースターパックが貰えます。中身は開封するまで不明ですが、運よくメインデッキに組み込めるカードが手に入った際は忘れずにデッキマネージャーを起動しましょう。

キャンペーンは展開されているブロックごとに決まっていますが、勝利後に再戦したり、そのブロックの背景世界を探索して対戦することもできます。(RPGでいうエンカウントに近い形式)

キャンペーン勝利後にブースターを貰う際はお金がかからないためお得ですが、『マジック2015』には所持数制限がかかっており、上限枚数に達したカードはブースターから出現しなくなります。制限枚数はレアリティ別になっており、

  • コモン … 4枚
  • アンコモン … 3枚
  • レア … 2枚
  • 神話レア … 1枚

です。このためアンコモンやレアを4枚積むことができず、実物を使ったデュエルとはデッキの構成が異なる可能性もあります。

ですが逆に、枚数制限のおかげでカード数が無制限に膨らむことがないため、キャンペーンに勝利するたびにブースターが貰えます。どうしても欲しいカードがある場合は別としても、カード購入のために課金する必要性はそこまで高くありません。(かわりにキャンペーンのロック解除等に課金が必要)

マルチプレイヤー対戦が実現、クイックマッチで世界中のプレイヤーとデュエル!

この画像はAndroid版のものになります。

Android版『マジック2015』はGoogle+と紐付けることができ、Google Play Gamesのマッチング機能を使ってインターネットを介した対戦が行えます。iPad版ではGame Centerを使用します。

電子版だからこそ、言語の異なるプレイヤーとマッチングしても不都合が一切生じないため気軽にデュエルできます。

またBluetoothを使って付近のデバイス同士でカスタムデュエルの作成もできるため、友達同士で端末を持ち寄って対戦することも可能です。

Google Play Gamesのリーダーボードでは、シングル/マルチプレイヤーで獲得した実績などをもとにXPが溜まっていきます。Google+上のフォロワー同士でスコアを競ったり、ランキング上位を目指すこともできます。

チュートリアルでルールを把握し、キャンペーンをクリアしてカードを揃え、デッキビルダーで戦略を練り上げた際はぜひプレイヤー対戦モードも覗いてみてください。

Androidいじくりまわすのが好きです。

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