さて前回に引き続き、今回も横浜にある天丼専門店『豊野丼』に行ってみました。前回は「初めての豊野丼」と言う事で「大盛り」にしました。
と、言っても『豊野丼』は「普通」が普通に大盛りなので、一般ピープルの方々や『豊野丼』が分かってらっしゃる常連の方々は、ほとんどの人が「少な目」でオーダーする事を覚えておいて下さい。
ちなみに『豊野丼』の「普通」は他店の大盛り相当のボリュームですが、さらに「大盛り」があり、その上の「てんこ盛り」もあります。料金的には「盛るごとに50円上がる」と言う非常に分かりやすいシステムです。そして最終形態は
『ヤケクソ盛り』
となり、ココまで来ると普通の人はちょっと食べきれない代物となります。どのくらいのスキルがあれば完食出来るのかと言うと『ラーメン二郎』なら『大豚Wヤサイマシ』を普通に食べきれる人、横浜市中央総合卸売市場にある『秋葉屋』の『チャーハン大盛り』を余裕で食べられる人となります。
ソレでも良く分からないと言う人は、とりあず米を5合炊いてみましょう。それを普通に食べられたら合格です。
と、言う訳でレポート的には非常にハードルを上げてしまった感は否めませんが、正直に申しますと
「揚げ物系写真は見た目の変化が乏しい」
みたいな事情があったりなかったりします。いや、それこそ「特大海老の一本揚げ」とか抜きんでていれば別ですが、普通の天婦羅を丼に乗せるとビジュアル的には変化が乏しいのですよ。
「あれ?これ先週の穴子天丼と同じじゃね?」
みたいに思われると悲しいので、誰が見ても「別次元の盛り」くらいにしとかないと記事として弱いのです。
そんな訳で筆者は、この一週間は「木綿豆腐」と「キャベツの千切り」を主食とし、毎日会社で水を3リットル以上、家で麦茶を2リットル。
さらに身体作りの一環としてダンベルカールは12キロを軸に、最後は25キロにして万全の仕上がりを目指しています。
(注 筆者はフードライターではあっても「フードファイター」ではありません)
そして万全の体調で挑む今回の『豊野丼 海鮮丼ヤケクソ盛り』となります。この一週間、この為だけに調整してきましたからね。
結果、トップ画像の『海鮮丼』となります。どうですか?満足して頂けたでしょうか?
とにかく文章で説明するのも野暮ってくらいの盛りですね。写真を見れば一目瞭然、まさに「天丼無双」と言っても過言ではありません。このボリュームと正面からタイマン張れる記者がどんだけ存在するのでしょうか?
ちなみに『海鮮丼800円』に盛り×3で150円、しじみの味噌汁100円で合計1050円とお値段以上の何かです。
丼の構成としては「海老」「穴子」「キス」「しいたけ」「ししとう」「ピーマン」「れんこん」「茄子」「かぼちゃ」となっております。
そして実食!
と、言う前に「デカ盛り」を食べる為の下準備。大将が差し出してくれた「取り皿」を丼に寄せ、さらに「おしんこ」の為の小皿も寄せます。
コレ
コレがベテランの食べ方。
25キロのダンベルを持てる筆者の剛腕をもってしても、この盛りの丼を常に水平に維持するのは困難と判断。さらに
「米が丼からサイドにオーバーハングするほどのヤケクソな盛り」
と
「ジェンガの如く緻密に積み上げられた天婦羅の山」
を崩壊させる事なく食べ進めるのは、なかなか難しいと思った次第です。そこで大将が用意してくれた「取り皿」に天婦羅をちょっと退避させつつ、かつ「ご飯」が丼から微妙に落ちてもカウンターに散らからないようにする小技の集大成。
さあ。
四半世紀に渡る「ボッチ・ジェンガ」(一人ジェンガ、独りジェンガでも可)で鍛えた俺の腕を見せてやるぜ!
まず、比較的「取り出しやすい」と思われる「しいたけ」から食す。美味い。ご飯がススムとはこの事か?
次に丼の頂き(頂上)にある「ししとう」を食す。いいねぇ。何気に「ししとう」にはタレがかかっていないのです。タレを丼にまわしかけてから、あえて最後に「ししとう」を添えると言う大将のコダワリが感じられます。
そして筆者的にメインの「穴子」に箸を運ぶ。
このフワフワ感がたまりませんね。火の入り加減も絶妙で「生ではないが焼けてはいない」みたいな天婦羅で一番美味しい状態で仕上がっています。最高としか言いようがありません。
「れんこん」でちょっと休憩しつつ「しじみの味噌汁」で胃を整える。汁物はあまり前半に飲んでしまうと、後半がキツくなるので筆者はいつも温存しています。このように「自分の食べ方」を把握しつつ、メニューによって食べ進む順番を組み換え、どのようなデカ盛りメニューでも柔軟に対応するのです。
ちなみにココまで食べて全体の半分くらいですw
いや、もう普通にお腹一杯なんですけどって弱音も出そうな勢いですが、大盛りを注文する時は
「食べきれなければ切腹する覚悟!」
で挑んでいるので、絶対に途中下車はありません。っていうか「ネタ作り」の為に食べれもしない大盛りをオーダーするのは人間失格です。体調が悪いとか泣き言も無用、ヤルかヤラれるかの鉄火場、それが「デカ盛り」の世界なのです。
さあ、後半戦に参りましょうか!
この為に身体を作って来たので、サクサクと食べ進みます。
「茄子」を頂きます。やはりナベプロ(鍋プロ)は一味違うな。自分で作ってもこうはならない。茄子のしっとりした食感と甘さに衣とタレが合わさると、それはもう「茄子であって茄子ではない何か」と言っても過言ではないであろうか?
次に「かぼちゃ」に進みます。わりと火が入りにくい「かぼちゃ」ですが、そこは絶妙な厚さで切られ、さらに匠の技で揚げられているので問題ありません。他の天婦羅のタネと違った「めりはりのある甘さ」に酔いしれます。
そしてラスボスとも言える「海老」の登場です。あえて一番最後まで温存する事で自らのモチベーションを保つと言う狙いもあります。いきなり「海の幸系」を全部食べつくして最後に「野菜の山」が残ったら誰でも心が折れる事でしょう。
と、個人的に全てが高まったクライマックス直前に隣のお客さんがオーダーしたのが
『天丼の王様 車海老天丼』(1200円)で御座います……
大きな「車海老」が天婦羅鍋に放り込まれた瞬間、海老の足がフワっと開いて色が変わります。大きさもコチラの海老より大きい模様……
ナニアレ?
スゲーオイシソウ……
若干、トーンダウンした筆者の心に「海老」の甘さが染み渡ります。美味い!確実に美味しい「海老天」である事は間違いないのだが、このモヤモヤ感はいったいどこからくるのか?
いろいろなモノやら思いがこみ上げてくるのをこらえつつ、筆者の目は隣の客の『車海老天丼』に注がれるのであった……
そして完食!
なんだかんだで終わってみたら「誠に美味しゅう御座いました、有難う御座います!」みたいな感想です。
天婦羅も当然ですが、何気に「ご飯」も美味しかったり。大き目で深い丼にガッツリよそられた「ご飯」にタレを回しかけて、その上に天婦羅を盛ってタレをかけるのです。なので「ご飯」の量が多めでも「深刻な具材不足」に陥る事はありません。
そもそもが、食べ物なのに『ヤケクソ盛り』とかどうなのって思わなくもないのですが、食べてみれば分かります。コレは完全に「ヤケクソ」に盛ってますw
ちなみに過去には『喰ってみろ丼』と言うキング・オブ・キングがあったのですが、あまりにも食べきれない人が続出したので提供するのは止めたらしいです。
と、言う訳で横浜でイチオシの『豊野丼』です。今年(2014年)の夏は普通に営業(定休日は日曜日)するらしいので、夏休みを利用して訪れてみてはいかがでしょうか?
記事的には「デカ盛り」で書いていますが「ご飯少な目」にすれば誰にでも勧められる美味しい天丼である事は筆者が保障しますよ。