魚の生活史の1サイクルすべてを人間の飼育下で行うことを、完全養殖という。クロマグロの完全養殖は、2002年6月23日、近畿大学水産研究所大島実験所(和歌山県串本町)のいけすで、人工孵化(ふか)により育ったクロマグロの親魚が産卵、受精卵が5000粒採種された。受精卵は同月25日に孵化し、仔魚の形態からクロマグロであることが確認され、クロマグロの完全養殖が実現した。
だが、人工ふ化した稚魚は死にやすく、クロマグロ養殖の研究を40年以上続ける近大ですら「難しい」と悩むのが、稚魚から幼魚までの養殖、「中間養殖」だ。この中間養殖を特化して事業化したのが豊田通商だ。長崎県の五島列島の1つ、福江島を中心に養殖事業を営んでいる。
同社が中間養殖を始めたのは2010年6月。元々はタイの養殖を行っていた海面といけすを活用して始めた。だが、近大で人工ふ化した稚魚を、それぞれのいけすに移す際に、半数以上が死んでしまった。さらに、稚魚から体長30cm程度のヨコワに育つまでは半年近くかかるが、ここでもいけすの網にぶつかるなどして死んでしまう魚が少なくない。
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参考 日経ビジネス: クロマグロ完全養殖の知られざる弱点 サイエンスポータル: 世界初!産学連携で近代マグロ量産