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日本がアメリカのMLSに注目すべき3つの理由
2014年のサッカーワールドカップ・ブラジル大会で、アメリカ代表はグループリーグを突破!
トーナメントでは一回戦で敗退しましたが、その活躍ぶりにアメリカ市民は熱狂しました。
アメリカ対ポルトガル戦においては、視聴者数が2500万人にまで達し、NBAのファイナルやMLBのワールドシリーズの視聴者数を上回りました。
「サッカー不毛の地」と呼ばれたアメリカですが、ワールドカップでの善戦により、着実に人気を集めつつあります。
そこでこの人気に便乗して、日本がアメリカサッカーリーグである『MLS(メジャーリーグサッカー)』に注目すべき3つの理由を述べたいと思います。
1.日本のJリーグと発足が同じ時期
日本のJリーグが開始したのは1993年、一方でアメリカのMLS創立は1993年と、両者とも発足した年が同じです(アメリカでは過去1967年から1984年まで北米サッカーリーグ『NASL』が存在しましたが、興行の失敗からリーグ経営が成り立ちませんでした)。
リーグの歴史として開始した時期も重なるため、サッカー文化の成長が日本と似通っている部分があります。
ワールドカップの時期だけ盛り上がるサポーターを「ニワカ」と呼ぶことがありますが、アメリカもこの時期だけサッカーに注目される点は、日本と良く似ていると思います。
しかしながら、アメリカのスポーツビジネスは非常にシビアなため、こういったお祭りの時期だけ利益が出るスポーツを、メジャーとしてあまり認めようとはしません。
確かに視聴者数はNBAやMLBを上回りましたが、この中には移民によるスペイン語話者も多数含まれています。
英語話者に限ればサッカーはまだまだメジャーと呼ばれるにはほど遠く、欧州主要リーグのようにサッカーが生活の一部として成り立っている環境と比べると、人気や実力、また歴史においても差があることは明白です。
この点では日本のJリーグも同じなので、欧州のリーグ経営と比較すると日本もアメリカもまだまだ発展途上といった感じだと思います。
ではこの状況を利用して、MLSをJリーグのライバルとして注目するのはどうでしょうか?
日本代表はアジア予選で一位通過しましたが、本戦のグループリーグでは敗退という結果に終わりました。
アジアで頂点に立ったとしても、他の大陸で予選を勝ち抜いたチームと実力差があっては、いつまでも「王者」と呼ばれる主要リーグの背中を見つめることになります。
「日本が弱かった」の一言で片付けるのではなく、まず世界を相手にした場合、日本が実力的にどの位置にいるのかを把握しなければなりません。
その点において、日本がアメリカのクラブチームを相手にするのは、お互いにとっても良い刺激になると思いますし、実力差においても極端な開きがないので非常に有効に働くと思います。
日本はMLSに注目し、どんどん対戦すべきです。
JリーグとMLSの覇者が激突する試合を組んでも良いと思います。
そうした経営努力をすることで、お互いの注目度が高まり、人気、実力ともに成長へとつながると思います。
2.アメリカの主要都市が開催地
筆者はイタリアのクラブチームであるACミランを応援しています。
サッカーファンとしてACミランが好きなのはもちろんですが、気持ちの一部で「イタリアの街が好き」という感情もあります。
これからファンになる初心者は、観光目的としてサッカーを好きになるのも、またひとつの手だと思うのです。
MLSでは以下のチームが主要都市で試合を開催しています。
イースタン・カンファレンス
ニューヨーク・レッドブルズ(ホーム:ニューヨーク)
D.C. ユナイテッド(ホーム:ワシントンD.C.)
シカゴ・ファイアー(ホーム:シカゴ)
ニューイングランド・レボリューション(ホーム:ボストン、プロビデンス)
コロンバス・クルー(ホーム:コロンバス)
スポルティング・カンザスシティ(ホーム:カンザスシティ)
トロントFC (ホーム:トロント)
フィラデルフィア・ユニオン(ホーム:フィラデルフィア)
ヒューストン・ダイナモ(ホーム:ヒューストン)
モントリオール・インパクト(ホーム:モントリオール)
ウェスタン・カンファレンス
ロサンゼルス・ギャラクシー(ホーム:ロサンゼルス)
クラブ・デポルティボ・チーヴァス・USA(ホーム:ロサンゼルス)
FCダラス(ホーム:ダラス)
コロラド・ラピッズ(ホーム:デンバー)
レアル・ソルトレイク(ホーム:ソルトレイクシティ)
サンノゼ・アースクエイクス(ホーム:サンノゼ)
シアトル・サウンダーズFC(ホーム:シアトル)
バンクーバー・ホワイトキャップス(ホーム:バンクーバー)
ポートランド・ティンバーズ(ホーム:ポートランド)
こうしたホームタウンに注目して応援するチームを決めれば、旅行の目的に「サッカー観戦」が加わります。
MLSで最も人気があり営業収入が多いクラブは『シアトル・サウンダーズFC』なので、野球で有名なイチロー選手が所属していたマリナーズと同じホームタウンという理由で好きになるのも良いでしょう。
アメリカでは野球やバスケットボールの歴史が長いため、スポーツ観戦に対する敷居が高いと感じている人もいると思います。
その点MLSはまだまだ未開の部分が多く、初心者でも参加しやすいので、今から注目しておくのも良いかもしれません。
3.有名な選手がアメリカに注目している
イギリスのサッカーチームであるチェルシーを退団したフランク・ランパード選手が、MLSに移籍する可能性があると報道されました。
また元ブラジル代表の選手であるカカ選手やロビーニョ選手、スペイン代表のビジャ選手もMLSに移籍しようとしています。
日本でも有名なベッカム選手は、かつてロサンゼルス・ギャラクシーに所属しており、今ではマイアミでサッカーチームを設立しようとしています。
こうしたビッグネームが続々とMLSに集結しつつあるのです。
MLSに注目する選手は意外なほど多く、スウェーデン代表のズラタン・イブラヒモビッチ選手もその一人です。
イブラヒモビッチ選手は、「契約満了後にMLSへ行くことはすごく興味深いこと」だと語り、ニューヨーク・レッドブルズに所属している、友人のティエリ・アンリ選手に刺激を受けたようです。
もともとスポーツに対するポテンシャルがアメリカという国は高いので、今は実力不足でも将来はどういった成長の兆しを見せるか予測できません。
大きな可能性を秘めているだけに、ベッカム選手のようにリーグの成長を見届けたい、経営に関わりたいという選手もまた多いと思います。
そういった意味でも、日本は今からMLSに注目する必要がありますし、経営に参加する意義があると思うのです。