もう、夏フェスではじける体力も精力も仲間もない。でも野外ライブは味わいたい。できれば首都近郊で。しかもタダで・・・。節電と円高で汗水たらしきってしまった、枯れメン枯れー女各位を潤すイベントが去る8/26-27-28の3日間、池上本門寺で行われた。Slow Music Slow Liveと称して、寺の境内での「ゆるめ」のJ-POPアーティーストによるコンサートが行われるのは今年で8回目。
当日ぎりぎりまで行こうか悩んでいた筆者は(お天気も怪しかった)、とりあえず現場で当日券購入を判断しようと、広い境内の山門をくぐった。すると、聞こえる、聞こえる、のびのある歌声・・・。Sotte Bosseの「遠く遠く」が蝉しぐれと共鳴していた。ライブ会場を探して、本堂を横目に墓地へ入っていく。墓地の奥に、会場があった。
卒塔婆越しにステージを望む。かなーりかなーり遠目だが、ステージ上に人影は確認できた。もちろんアーティストの表情・プレイは見えるべくもなく・・・。だが、そういったビジュアル的な臨場感の欠如をのぞけば、音響は申し分ない。日々の散歩コースにしているらしい、おじいちゃんも足を止め目を細める。犬も耳をそばだてている。缶チューハイ片手に鑑賞モードのおばさんも何名か陣取っている。そんな場外組の各々の楽しみ方に共感しつつ、結局、筆者も力道山の英霊の前で、次組のMaia Hirasawaまで堪能した。
無賃乗車を推奨するわけではないけれど、ちょっと立ち寄れるお寺+ライブの心地良さは捨てがたい。来年の開催を祈りながら、行く夏を惜しもう。なお、晩夏の寺の境内は、虫よけ対策必須。「漏れ聞き」のペナルティかな。