2月14日の午後、突然『Twitter』デビューしたアカウントが話題となった。そのアカウントの人物とは、在日コリアンの実業家で『のりこえねっと』共同代表の辛淑玉さんだ。
当初、そのアカウントは自己紹介もなく、アイコンもタマゴのままだった。そしてフォローされたのは、反レイシズムで活動する人々と在日コリアン。
「twitterデビューしたものの、カウンター系を狙い撃ちフォローし過ぎてネトウヨのなりすましと疑われている 辛淑玉 @shinsugok さん笑。まだ信用してませんが一応フォロー笑」
とつぶやく人もいたように、ある意味マニアックな人選から、もしや辛淑玉さんの名をかたる「なりすまし」では、と疑う人も多かった。
私の方にも、すぐさまDMや電話などで「あのアカウントは本物?」との質問が多数寄せられた。
私たち在日コリアンで実名を名乗って『Twitter』をすると、さまざまな嫌がらせに遭遇する。「なりすまし」もそのひとつで、本人を装ってあり得ない下品なつぶやきをされたり、また第三者に嫌がらせを行ったりすることもある。
少ししてから、「本物の辛淑玉です。ツイッターデビューしました。新参ですが、よろしくお願いします。(^^)」 とのつぶやきが発せられるものの、なかなか私のTL上の人々は信じきれなかったようだ。私自身も、半信半疑だった。
けれど、「なりすまし」と疑われ、フォロワーが増える前に多数からスパム報告をされた場合は凍結してしまう。本物だった場合、そうなってしまっては困るし、「なりすまし」によって辛淑玉さんが被害を受けるのも、また悲しい。
なので、『のりこえねっと』に直接電話をして尋ねることにした。すると事務局の方から「はい、本人です」との返事が。あっけない。ツイッター上でその旨を報告し、一件落着となった。ほかにも心配し、連絡を取った人も多数いたようだ。辛淑玉さんのフォロワーはその後急増する。さすがだ。
在日コリアンがツイッターを始めるとき、ネット上で活動を行うときには、難しい問題が山積みだ。毎日のように乗り越えなければならない壁に出会う。在日はときどき、こんな風に言葉を発する場所を奪われたり、訴えることを自制させられたりする。
しかし、今日は辛淑玉さんのアカウントをめぐって温かいやりとりが繰り広げられ、それを見てすこし安心した。誰かを心配しされること、思いやることは本当に素敵だ。バレンタイン・デーの贈り物のような出来事だった。
本物の辛淑玉です。ツイッターデビューしました。新参ですが、よろしくお願いします。(^^)— 辛淑玉 (@shinsugok) 2014, 2月 14
辛淑玉 (shinsugok) – Twitter
https://twitter.com/shinsugok [リンク]