節分が近づくと、福岡県のいくつかの神社では、鳥居や楼門に大きなお多福面が飾り付けられます。しかもその大きさは半端なく、お多福の口の部分を人が通れるようになっているぐらいです。もうこれは『お多福の門』と呼んでいいでしょう。
この風習ですが、「博多のアイディアマン」とも呼ばれた田中諭吉が「大おたふく面の福くぐり」として櫛田神社に提案し、1961年2月から始まったものなのだそうです。(西日本新聞『雑学博多・ふくおか深発見』より。)
なお、私は福岡県柳川市で始まったという説も聞いたことがありますが、こちらの方はよくわかりません。
いずれにしても櫛田神社の大お多福面の影響で、福岡県の他の神社でも設置するようになったのでしょう。(ただ、櫛田神社以外で節分に大お多福面を設置するようになったのは、ここ十年ぐらいのことのような気がします。)
その『お多福の門』を写真で紹介します。
ただ、これらの写真は数年かけて撮影したものなので、現状とは違っている可能性もありますので、そこら辺はご了承ください。
☆櫛田神社(福岡市博多区上川端町1-41)
主祭神は大幡主命、それに天照大神と素盞嗚神です。博多山笠の神社として知られ、博多んもんの守護神というべき神社でもあります。
福岡市の節分行事の中心的なところで、毎年ローカルニュースでここの節分の様子が紹介されます。博多座も近いので、有名な俳優や歌舞伎役者が豆をまくこともあります。
この櫛田神社のお多福面が最も有名でしょう。また三つもお多福面を設置する神社はここだけです。
博多祇園山笠公式ホームページ・櫛田神社
http://www.hakatayamakasa.com/kushida.php
☆戸明神社(北九州市若松区蜑住974)
主祭神は天手力雄大神と天児屋根大神。天手力雄大神は天岩戸をこじ開けた力の強い神様として知られていますが、北部九州地域でこの神様を祭っている神社は珍しいです。力の強い神様なので、大相撲の魁皇(現・浅香山親方)や琴奨菊も参拝に来たそうです。
筑前若松 戸明神社
http://www5.ocn.ne.jp/~toake/
☆岡田宮(北九州市八幡西区岡田町1-1)
主祭神は神武天皇。神武天皇が日向から大和への東征の途中に滞在した岡田宮に由来するとされる由緒のある神社です。
岡田宮
http://www.okadagu.jp/
☆八坂神社(北九州市小倉北区城内2-2)
京都の八坂神社と同じく、素戔嗚命を主祭神とします。
関が原の合戦の後、小倉の地を与えられた細川忠興が、この地にあった素戔嗚命の石の祠を無理矢理開けたところ、中から鷹が飛び出し、細川忠興の目を傷つけました。許しを請うため、社殿を建てて素戔嗚命を祀ったところ、忠興の視力が回復したので篤く信仰するようになったとの伝説があります。
小倉太鼓祇園の神社としても知られています。
八坂神社。小倉の八坂神社です。
http://www.yasaka-jinja.com/
☆正八幡宮(行橋市神田町8-1)
応神天皇、神功皇后、比売大神という宇佐の八幡三神が御祭神です。貞観2(860)年に国司の一人であった豊前守文屋真人益善が宇佐宮の託宣により建立しました。小倉を領有した細川氏や小笠原氏も信仰し保護を加えたといわれます。
正八幡宮~鎮守の杜それは心のふるさと~
http://shohachimangu.jp/
ここより番外編です。
☆宮地嶽神社(福津市宮司元町7-1)
御祭神は神功皇后、それに神功皇后に仕えた勝村大神・勝頼大神です。福岡では商売繁盛の神様としてよく知られています。
宮地嶽神社 公式ウェブサイト
http://www.miyajidake.or.jp/
☆日吉神社(久留米市城南町4-2)
境内に恵美須社があり、1月10日には『十日恵美須祭』が行われます。
この記事を詠んでいただいた皆様にも「笑う門には福が来る」ことを願っております。