ニュースや新聞などで日本の少子高齢化問題について、皆さんも一度は聞いたことがあるかと思います。実はこの問題、日本だけではなくアジア諸国においてもその現象は広がっており、今後は少子高齢化が急速に進むものと予測されています。
アジア諸国内でも特に、東アジアにおける高齢化が今後は深刻な問題になるだろうと予測されています。国ごとに見ると、すでに日本・韓国・台湾で人口の高齢化が急ピッチで進行しています。2010年には東アジアの総人口はおよそ15億人であり、高齢者の割合は1.5億人でした。しかし、2050年になると、東アジアの人口は約15億人と減少し、高齢者はおよそ4億人に増えると指摘されています。つまり、高齢者の比率が総人口の26パーセントに達し、東アジアでは4人に1人が高齢者といった『超高齢社会』が到来します。
日本では今後、団塊ジュニア世代が今後数十年間で高齢者の仲間入りと果たすこととなります。このままですと、2050年には日本の率は40パーセントに達します。これは、高齢者が100人中40人を占めるということであり、その時の日本は一体、どのような風景となっているのでしょうか。
昨今、日本の企業では高齢者の再雇用を積極的に行っています。これは、今後の高齢化社会を見据えたうえで、企業がどのように人的資源を確保するかの挑戦が始まったものと考えています。昔に比べて今のご老人が元気なのは周知の事実だと思います。60歳前後で定年となり、家で大事な「人的資源」を眠らせておくのは非常にもったいないことだと思います。これは、日本に限らずアジア諸国も同じであると考えられます。今後は国や企業も高齢者の有効活用について議論を深めていく時期に来ているのではないでしょうか。そして、このような高齢者再雇用に対する「経験知」を海外に伝える義務が、高齢化先進国としての義務であると、考えています。