あけましておめでとうございます。2014年、4年に1度のワールドカップイヤーがスタートしました。今回はザッケローニ監督の言葉から日本代表の課題(論点)をざっくり考えていきます。
「毎試合のように、相手に1点目をプレゼントするようなことはしたくない」「(プレゼントゴールが続くのは)おそらくゲームへのアプローチに問題があるのではないか」
2対3で勝利した、11月のベルギー代表戦。試合後の会見で、ザッケローニ監督は先制点を与えたことに苦言を呈しました。失点は、ゴールを守る川島永嗣の、無謀とも思える飛び出しから。ただ、積極的に飛び出すのが川島のスタイルです。裏目に出たとはいえ、彼の持ち味を否定すべきではないでしょう。敵FWのスピード、技術、ポジションから飛び出すタイミングを探り、味方DFとの連携を高めていくしかありません。
3年前のアジア杯も苦しい試合が多かったですが、W杯は格上との対戦が続きます。攻守のバランスに細心の注意を払った上で、追いかける展開は避けたいところ。チームとして、シュートを撃たせない、裏を取られない、相手の組み立てを自由にさせないといった取り組みが欠かせません。立ち上がりだけでなく、リードするまで、試合が終わるまでの集中力も求められます。集中力は、次に取り上げるコンディションとも関わるでしょう。
「選手たちは機械ではないので、コンディションが伴わない場合もある」「10月は技術が伴いながらインテンシティーが足りていなかった。11月(の欧州遠征)はインテンシティーと技術力を両方出せたのが大きかった」
再びベルギー戦後の会見から引用。ザッケローニ監督は、選手のコンディションを見極め、チームの為に戦えるメンバーを送り出さなければなりません。W杯アジア予選、コンフェデ杯までの昨年半ばまでと比較し、指揮官は積極的に新戦力を登用し、結果もついてきているのは好材料と言えます。ただ、主力の香川真司と吉田麻也が所属クラブでの出番を大きく減らしていることは、ザックの頭痛の種に違いありません。
「試合の順番より、移動を含めたロジスティックの方がよほど気になる」「選手にすれば、フライト、フライトの繰り返しみたいに感じるかもしれない。そうやって積み重なるストレスをどう取り除くか」
W杯組み合わせ抽選会後の手記からは、試合を行なう都市の蒸し暑い気候、ベースキャンプと試合会場の移動距離について、指揮官が考えを巡らせているのが伝わります。心身ともに万全の調整ができる、ストレス耐性の強い選手が多いに越したことはありません。海外で揉まれ、そして大舞台を経験したことのあるベテラン選手は、本大会でのメンバー入りのチャンスでしょう。昨シーズンのJ1得点王、大久保嘉人は有力候補のはずです。
過去のW杯を振り返ると、2002年大会の中山雅史と秋田豊、10年大会の川口能活といったサプライズで招集された経験豊富な選手は、トルシエ・岡田両監督の考えを理解し、チームのまとまりに大きく貢献しました。もともとチームの一体感を相当重視しているザッケローニ監督であれば、そうした選考をしないで、ブラジルの地でたくましく、一定の出場機会が見込めるベテランを呼ぶのでは…個人的な予想であり、願望でもあります。