コンビニをよく利用する。
知人から、「だったら、カードを作ると得だよ。ポイント貯まるし」と勧められ、さっそく近所のセブンイレブンへ。
こうして、私は『nanacoカード』を手に入れた。
しかし、ここで大きな障害が…。
「500円になりまーす」
レジでカードをチラつかせる。気づいてほしい。私はnanacoでの支払いを望んでいる。
普段、女性を呼び捨てすることがない私にとって、精算時のストレスは絶大だった。
「…?」
だめだ、この店員は気付いてくれない。きっと情報のインプットを左脳に頼るタイプだ。自分で考えることを放棄し細かくかみ砕いた説明を口を開けて待っている学生のようだ。…いや、これは逆恨みか。私の説明スキルの無さが原因ではないのか。そうであるなら学生に罪はない。ましてや、nanacoでの支払を望む私の心に気付かない店員に罪はない。
「…500円になります」
再び店員が言う。
もう、逃げ場はない。。
覚悟を決めた。
「nanacoさんで…」
“敬称あり”なら、言えた。