
ニューヨークには美術館がたくさんある。『ミュージアムマイル』と呼ばれる五番街の一定区間に美術館が密集するため、この呼び方がされており、6月には『ミュージアムマイル・フェスティバル』と銘打って多くの集客が見込める。
・ 82丁目 メトロポリタン美術館
・ 83丁目 ゲーテ・インスティトゥート・ニューヨーク/ドイツ文化センター
・ 86丁目 ノイエ・ギャラリー・ニューヨーク
・ 88丁目 ソロモン・R・グッゲンハイム美術館
・ 91丁目 クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館、スミソニアン博物館
・ 92丁目 ユダヤ博物館
・ 103丁目 二ューヨーク市博物館
・ 105丁目 エル・ムセオ・デル・バリオ
・ 110丁目 アフリカ美術館
ワシントンDCはアメリカの首都のためか、殆どの美術館の入館料がない。これは観光客にはありがたいことだが、ニューヨークは入館料は発生するし、しかも高い。だから、結局、一番大きいメトロポリタン美術館に人が集まることになる。この美術館なら丸一日を過ごすことも可能であるし、入館証のシールはメトロポリタン美術館別館のクロイスターズと言う中世ヨーロッパ期の大修道院の建築様式を模してデザインされた荘厳な建物に、西洋中世美術品や建築関連物が展示されている美術館へも同日であればその入館シールで入館できる。
クロイスターズはマンハッタンの北側に位置し、ハドソン川が一望できるフォート・トライオン・パークの丘の上に立つ。そこいら一帯はマンハッタンとは思えない程、のどかな風景が広がっている。対岸のニュージャージーの土地もロックフェラーは買い取り、クロイスターズの中世のイメージをハドソン川向かいの風景が壊さぬようにしたとは驚きである。因みにこのクロイスターズ創設はジョン・ロックフェラー2世の寄付によるもので、ヨーロッパから移築した建物や庭園にその全費用が充てられた。
本館であるメトロポリタン美術館はバラエティーに富んでいて、美術品、彫刻、武器・鎧、楽器、写真等、分野別が途方もないコレクションを誇る。
・ アメリカ装飾芸術部門
・ アメリカ絵画と彫刻部門
・ 古代近東芸術部門
・ 武器・鎧部門
・ アフリカ・オセアニア・アメリカ芸術部門
・ アジア芸術部門
・ 衣装研究所部門
・ スケッチ・絵画部門
・ エジプト芸術部門
・ ヨーロッパ絵画部門
・ ヨーロッパ彫刻・装飾芸術部門
・ ギリシャ・ローマ芸術部門
・ イスラム美術部門
・ 中世芸術部門
・ 現代美術部門
・ 楽器部門
・ 写真部門
・ ロバート・リーマン・コレクション
上記他、特別展示があり、フェルメール作品の『牛乳を注ぐ女』がアムステルダム国立美術館が貸し出されたり、衣装研究部門では大々的に大規模な特別展を毎年5月の第一月曜日に開催し、トップモデルや女優、話題の人たちを招く『METガラ』は、チャリティーイベントとしても知られるファッションの祭典で、テレビ、雑誌、新聞等で大きく報道される。
美術館は友人をお連れすることも多いが、一人で鑑賞するのが心を研ぎ澄ますことが出来ると思うし、絵画と向かい合い心の中を吐露することもある。変な奴と思われるだろうが、時空を超えての会話というか、絵画に対して相談事が出来るのである。おそらく日本の美術館の規模はメトロポリタン美術館程はないので、ベンチに座り周りに誰もいないことは珍しいだろうが、メトロポリタン美術館は十分可能なのだ。
サンクチュアリと向かい合える場所、そこがメトロポリタン美術館なのである。
(画像はThe Metropolitan Museum of Art公式Xより引用)