今から約560万年前、地中海はほぼ完全に干上がった状態で、非常に塩濃度の高い塩湖が点在していただけだった。しかし、その30万年後の氷河期の終わりとともにやってきた海水面の上昇によって、大西洋からの大量の海水がジブラルタル海峡を通って地中海に流入したと考えられている。
その規模は凄まじく、ピーク時には一日で海水面が10m上昇し、2-3ヶ月から2年で、地中海の約9割の海水を満たしたという。これぞまさしく大自然のカタストロフィーである。局地的な大地震や、火山活動しか知らない人類は、未だ本物の天変地異を経験していないのかもしれない。
地中海だけでない。およそ40億年の地球の歴史の中では、大規模な超大陸の分離と再形成など、想像もつかない地殻変動が少なくとも3回起こっているという。
今回、イベリア半島沖の海底に、地球の地殻の裂け目が新たに発見された。この裂け目から、北アメリカ大陸とヨーロッパ大陸が接近していって、2億2000万年ほど後には大西洋が消滅してしまう、と専門家は予測している。