日本が世界の強豪相手にコンフェデレーションズカップで戦っているその裏で、2014年ワールドカップ・ブラジル大会のアジア最終予選の最後の戦いが行われていた。
注目はグループAの韓国対VSイラン戦。
韓国がW杯へ出場できる条件は、負けても得失点差の有意があることから、3位のウズベキスタンがカタールに大勝して、韓国が大敗しなければ出場が決まる。イランは勝利が絶対条件だった。
そして、試合前から両チームの監督や選手達による非難合戦が幕開けした。
まず、両チームがいがみ合う切っ掛けになったのは2012年10月のテヘランで行われた試合で、韓国がイランに0-1で敗れた。韓国の崔康煕(チェ・ガンヒ)監督が「イラン戦はW杯進出とは関係なく、最善を尽くさなければならない試合だ。 2012年にイランへ遠征した時に受けた不当な扱いを覚えている」「正直(ウズベキスタンより)イランの方が憎い。ウズベキスタンと(W杯本戦に)行けたら良い。 イランには必ず苦痛を与える」と、ビザの発給や粗悪な練習施設など、イラン側の過去に受けた扱いを批判した。
その発言を受けてイランのカルロス・ケイロス監督は「自分の発言がどれだけ恥ずべきものか知るべきだ」「崔監督はイランのサッカーを侮辱した。試合前にイランのサッカーファンに謝罪すべきだ」「今回(最終戦が行われる)蔚山(ウルサン)に行ったら、崔監督にウズベキスタンのユニフォ
ームをプレゼントするつもりだ」と最終戦を前に発言した。さらにはドイツ・ブンデスリーガ1部のハンブルガーSVに所属する孫興民(ソン・フンミン)は、
「彼(イランの主将のジャバド・ネクナム)に血の涙を流させてやる。彼はしゃべりすぎることで有名だ。俺は言いたいことはピッチで表現する。俺たちは3点、4点奪って勝ってみせる」とお互いの発言はヒートアップするばかり。
そして、ついに試合開始。内容は圧倒的に韓国がボールを支配する展開だった。イランは前半でシュートを一本も打てなかった。しかし、後半15分に韓国DFのミスを誘い、イランFWのグーチャンネジャド選手が奪ったボールをゴールに流し込む。そのままイランが0-1で勝利した。A組1位でW杯突破を決めたイランは2大会ぶり4回目の出場。ウズベキスタンがカタールに5-1に勝利したが、得失点差が及ばず、B組3位のヨルダンとホーム&アウエーのプレーオフ(13年9月6日、10日)に回る。勝者は南米5位と戦い、その勝者が本大会へ進出。得失点差で1点上回った韓国は8大会連続9回目のブラジルへの切符をかろうじて手に入れた。
やはりというべきか、起こるべくして事件が起こってしまった。
試合終了のホイッスルが鳴らされると、イランの選手は歓喜し、カルロス・ケイロス監督が韓国ベンチに向かってガッツポーズを見せた。その後、アウエーの地でビクトリーランをするイランの選手を韓国チーム関係者が暴行をしているシーンが映っている。
大韓サッカー協会の関係者は、試合前にもケイロス監督は、韓国の崔監督がウズベキスタンのユニフォームを着たコラージュ画像をプリントしたTシャツを着用したこともあり、挑発していたと指摘。国際サッカー連盟(FIFA)とアジアサッカー連盟(AFC)に提訴する計画である、と発言している。
YouTubeに『”韓国代表関係者たちがイラン代表GKに暴行を働く』というTV画面を直撮りした動画がアップされていたのだが「KBS さんによる著作権侵害の申し立てにより削除されました」と表示される。しかし、関連動画は拡散している。
下のURLは現在のところ視聴できます。
試合終了後の場面(http://www.youtube.com/watch?v=G23IhTdbQC8)
アップで見れる暴行の場面は13秒後 (http://www.youtube.com/watch?v=-U8z_POzVfo)
一連の流れを見ると、両チームともマスコミに煽られ、売り言葉に買い言葉になり、お互いを挑発して自爆した感じがする。
この試合を見たウズベキスタンの選手は、自分達のほうがW杯に出るのにふさわしいチームだと思うのではないだろうか。
とにかく後味の悪い試合だった。
画像:YouTube の画像をキャプチャー (http://www.youtube.com/watch?v=-U8z_POzVfo)