【発売直前レビュー】丸亀製麺の秋メニューは月!『焼きたて牛すき釜玉うどん』『粗挽き肉チーズ釜玉うどん』を食べてみた

  by 古川 智規  Tags :  

丸亀製麺は『焼きたて牛すき釜玉うどん』を2024年9月3日(火)から全国のロードサイド店を中心とした店舗で、『粗挽き肉チーズ釜玉うどん』を全国の丸亀製麺で販売開始する。メニューとしては「月」がテーマだが、打ち立て、茹でたてのうどんを直接器に盛り付ける「釜抜き麺」にも注目だ。

同店では全店舗で100%国産小麦、塩、水のみを使い、気候や材料の状態を見極め熟成時間などの工程を調整しながら職人が製麺、調理を行い「打ち立て・生」のうどんをご提供している。「釜抜き麺」は、打ち立て・茹でたてのうどんを水で締めないため、外はふわりと、中はもちっとした食感で小麦の香りが広がる。なお、麵職人に直接聞いてみたところ、通常のうどんを注文する際でも、こちらの方が好みであれば「釜抜き麺」と指定すればそのように作ってくれるそうだ。「私だけのこだわり」うどんの注文もできそうだ。

焼きたて牛すき釜玉うどん

「焼きたて牛すき釜玉うどん」を店舗で提供する手順通りに作ってもらう。注文ごとに、コクのある三温糖と特製の割り下で焼き上げる。

まだ食べてないのだが、見るからに美味しそうな肉をタレと肉汁ごと釜抜き麺の上に乗せる。当然ながら香りも「すき焼き」そのままだ。

そして卵が乗るのとで、おなじみのすき焼きと「月見」が完成する。

食べ方は自由だが、熱い麵にからめれば半熟の卵のようになるし、肉だけにからめればすき焼きうどんになる。ちなみに釜抜き麺は塩加減が完璧なため、そのまま食べてもほんのり塩味で美味しい。よってすき焼きを食べながらうどんを別で食べ始めてもまったく違和感はないことは特記しておく。

粗挽き肉チーズ釜玉うどん

「粗挽き肉チーズ釜玉うどん」も同様に調理してもらう。まず麺の上にチェダーチーズをのせてからカルボナーラソースをかけるところからスタートだ。

そこにあらびき肉を加えて、さらに特性の和風デミグラスソースをかける。

最後に卵とブラックペッパーを振って出来上がりだ。2種類のソースと卵を含めて釜抜き麺と混ぜ合わせれば、チェダーチーズもとけてきて、パスタのカルボナーラのうどん版といったところだ。しかしそれぞれのソースや具材の味が濃いため、カルボナーラパスタよりも濃厚でチーズが加わることにより奥深い味が楽しめる。

これは混ぜきって卵が麺にからんできてから食べるのが良いと感じた。いずれも「月見」をイメージしているところから、まだまだ暑い日が続きそうで、季節感が夏から冬に飛んでしまう短い秋になるかもしれないが、体感はともかく味覚だけでも秋を感じ取るにはいい頃合いなのかもしれない。

月と神話

月を愛でるのは世界中で古の時代から行われていることだが、日本には神話に登場する月読命(ツクヨミノミコト)が月に象徴される。アマテラス、スサノオとともにイザナギから生まれた三貴子のうちの一柱だが、ほかの二柱は多くのエピソードや物語が記述されているのに対して、ツクヨミに関してはほとんど登場しないミステリアスな神様でもある。

いつも輝き続ける太陽神であるアマテラスや海や武の神様であるスサノオと比較して、記述がなくよくわからない夜をつかさどる神様には畏敬の念が強かったのかもしれない。活動できない夜に最も明るく輝く月を愛でるというのは畏敬と風情を取り交ぜた日本人独特の感情なのかもしれない。実際に神社の主祭神としてツクヨミが祀られている神社は三貴子の中でも圧倒的に少ないことから、ミステリアスな存在であることは間違いないだろう。

光の速さで地球から1.3秒で到着すると誰もが知っている科学技術が発達した21世紀の現代でも、秋になると特に食べ物について月を意識したものが出回るのは、こうした日本人に刻まれた心の表れとでもいえようか。それが団子であってもうどんであっても、忙しい現代人だからこそほんの少しだけ月を愛でてみる時間があってもいいのかもしれない。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

Twitter: jj6tje

Facebook: jj6tje