プロ野球で2011年に導入された 飛ばないボールでの統一球問題がゆれている。
プロ野球のコミッショナー事務局が 今年になって 多少飛ぶボールにこっそりと変更していたと言うのだ・・・・
この プロ野球で使うボールが よく飛ぶことはいけないのか? いいのかという問題。
ここには野球というスポーツが用具の性能によって大きく左右されている状況が見えてくる。
日本のプロ野球 とりわけ読売巨人軍などは打撃によってチームの人気を支えてきた歴史がある。 巨人は昔から打者で持っていたチームであり スター選手は打者によって生まれ 他チームは巨人の強力打線をそれぞれのチームのエースが抑えると言う形で野球の人気を作ってきたといえるだろう。
日本の野球は ホームランと言うゲームの華によって人気を作り出してきた。 ON時代の 王、長嶋の人気を作ったのもホームランだった。
特に巨人と言うチームは歴史的に見てもホームランが多い。 それは パワーが違うと言われるアメリカのメジャーチームと比較してもむしろ勝っているほどホームラン数が多いのだ。
アメリカのメジャーリーグのホームラン記録は 1997年にシアトルマリナーズが作った、年間264本と言う記録で 1試合当たり 1.629本が大リーグ記録。 アメリカを代表する人気チームのヤンキースは 昨年の記録が近年最高で162試合で245本。1試合あたり1.512本と言うもの。
ところが、巨人の持っている2004年の日本記録 259本と言う記録にいたっては1.798本というまさにホームラン率 世界一位の記録。
この記録が如何に異常であったのか?
ところが 飛ばないボールが導入され メジャーリーグのボールに近いといわれるボールに変わったとたん 2011年のホームラン数は 108本と激減。本来 日本人の体格やパワーではこのあたりが最高なのでしょう・・・・・
日本を代表すると言われた巨人にいた松井秀樹が日本で作ったホームランの記録は 年間50本。その彼が全盛期にアメリカで記録したホームランの最高数字は日本より多い162試合に出場して31本。この数字が現実的な日本人としてのホームランの実数なのだろう。
巨人は 野球の華はホームランという体質を昔から持ったチームつくりをしてきた。
世界の球場の中で 球場の広さを超越して ホームランが出やすい球場として有名な 東京ドームを本拠地として 2011年の飛ばないボールの導入はまさに死活問題という意識があった。
この 巨人の発想が コミッショナー事務局の面々に伝わっていなかったと否定できるのだろうか?
そして 読売新聞や報知スポーツなどは事あるごとに 巨人の観客の減少の原因をホームランと言う華が減ったことだとの報道を続けてきた。
巨人は2011年の東京ドーム開場以来最低となった観客動員数の落ち込みを 統一球の導入による ゲームの面白さが無くなったからだと報道し続けたのだが、 この指摘が間違いであることは 野球ファンならば知っている。
阪神タイガースは史上最高の観客動員を記録し 日本ハムの北海道をはじめ 福岡や仙台など地方チームが隆盛し始めた野球界の変化に気づいていないのは巨人だけ、、、、
毎日のように日本テレビは巨人の野球中継を繰り返し、そのコンテンツは最も重要なテレビ番組であったのに、今やほとんど 野球中継は BS日本テレビなどに移し 地上波では野球放送をしない時代を迎え、テレビ局における野球と言うコンテンツは低下し続けている。 ところが地方では 大阪のタイガース 名古屋の中日、広島、北海道、福岡、仙台と地方テレビ局では ほぼ毎日野球の中継を地上波で見ることができ、巨人との違いを見せ、いまだ大きな力を持ち 地元に密着したプロ野球人気を支えている。
飛ぶボール 飛ばないボールの問題に 生き残りを託しているのは 巨人だけ・・・
まあ、 ヤクルトや横浜、西武、ロッテなど首都圏に本拠地を置くチームも勘違いしている可能性はあるものの、地方にフランチャイズを置くチームは野球に対してのビジネスモデルも変わりつつある。