みなさまシイラはご存じでしょうか? そう、『あつまれ どうぶつの森』で超レア魚として有名なアイツです。
エメラルドグリーンと金色に輝く美しい体色に、大きい成魚では2メートルを超える巨体と、漢字を「鬼頭魚(しいら)」ともあてらるぐらいイカツイ特徴のあるお顔のギャップがとっても魅力的なお魚です。
「会ってみたい。そして食ってみたい」と思っていたところ、行きつけの魚屋「海鮮市場マルモト」(神奈川県伊勢原市伊勢原1−3−37)から入荷の連絡をいただいたので早速行ってきました─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つGO!
シイラ
憧れのシイラさんを目の前にして嬉しくて、店先ではしゃいで写真を撮りまくってしまいました(,,・ω・,,)
シイラはオス・メスの見分けが簡単につきます。オスはおでこが張り出して角張りお顔が四角形になりますが、メスは卵型のままです。なのでこの子は女の子です!
ハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれて高級魚のシイラさん、果たしてどんな味がするのか食べるのが楽しみだー ((o(´∀`)o))ワクワク
シイラの捌き方
シイラは体表やぬめりに腸炎ビブリオ菌や表皮粘液毒を持つと言われているので真水でよく洗います。
腸炎ビブリオ菌は海水や海泥におり、塩濃度1~8%の環境下で増殖しますが、真水に弱いので真水でよく洗います。
シイラは「腸炎ビブリオ菌を持っていて食中毒を起こすから食べられない」なんてことを言われたりしますが濡れ衣です。
腸炎ビブリオ菌は海水や汽水域にいますので、シイラだけではなく、そこで生きる全ての生き物がこの菌を持っている可能性があります。
なので、魚介類は真水でよく洗ってください(大事なことなので3回言いました)。
よく洗ったらウロコをすき引きですいていきます。
頭を落として内臓を出してお腹をブラシで綺麗に洗った後、お腹と背中に切り込みを入れて3枚におろします。
シイラは切り身も宝石のように美しくうっとりしてしまいます(*´ω`*)
シイラは時間が経つと毒魚になる?
シイラは毒そのものは持っていませんが、「ヒスチジン」の含有量が多く、常温で放置するなど不適切な温度・鮮度管理を行うと、ヒスチジンにヒスタミン産生菌酵素が作用してヒスタミンが生成されます。
ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品を食べるとヒスタミン中毒を発症します。
ヒスタミン中毒になると、食べた直後から1時間以内に顔、口周りや耳が紅潮し、じんましん、頭痛、おう吐、下痢などの症状が表れます。重症になることは少ないですが、呼吸困難や意識不明になることも稀にあります。しかし死亡事例はありません。
一度生成されたヒスタミンは加熱処理しても分解されないため、そもそもヒスタミンを生成させないことが大切になります。
安全に美味しく食べるために、エラや内臓はできるだけ早く取り除き(ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在するため)、冷蔵で保存し、鮮度の落ちたものは食べないようにご注意ください。
常温解凍も絶対ダメ!!!!
本日のお品書き
・カマ焼き
・ムニエル
・お刺身
・カルパッチョ
・黄金揚げ
シイラのカマ焼き
塩をふってグリルで焼き上げました。
(。・н・。)パクッ 全くクセがなくジューシーでプリプリです。しかし身自体は脂も少なく淡泊すぎて可もなく不可もなくな味わい。
骨や皮のところは出汁が出るのか旨みが強く、多少脂がのって美味しい!
身が締まっていて噛み応えがあるので、食べていると段々チキンを食べている気分になってきます。
骨付近の身はどことなく栗っぽい風味がします。シイラのアラ出汁からも栗っぽいホクホクした香りがしたので、この香りはシイラ特有の香りなのかもしれません。
シイラのムニエル
塩コショウした後で小麦粉をまぶしてバターで焼き上げました。
(。・н・。)パクッ ……ッッッ!!!!!!!!
一口食べた瞬間にバターの強いミルクの風味が広がり驚きました!!!!!!!!
シイラ自体も美味しいのですが、先に述べた通りあっさりしていて可もなく不可もなくなお味。でもなんかいつもの料理よりも焦げたバターと小麦の良い香りが強烈に臭覚と味覚を刺激する気がします。
ソースが魚を立てるのではなく、魚がソースの味をクッキリ鮮やかに立てる、そんな不思議な味わいです。
だからか素人が適当に焼いただけなのに、高級フレンチで出てくる一品のような味わいになりました!
シイラのお刺身
( ˘ω˘ )モグモグ 皮は硬いので炙りにしないならとったほうが良いです。嚙み切れない……。
身はものすごく柔らかくて、噛む前に崩れていく感じです。臭みやクセは一切ありません。筋張って見えますが、筋の食感はほとんどないので全く気になりません!
甘味が強く、味も食感もビンチョウマグロに近いです。ビントロにちょっと鯛を混ぜた感じ。
「シイラは脂がないからマズイ」という声もよく見ますが、食感がトロりとしていて非常に甘味が強いので、脂がのっているような感じがして美味しいです。
とにかくクセも臭みもないので、刺身嫌いの人でも食べられそうです!
また、ぼうずコンニャク氏が「市場魚貝類図鑑」で仰っていた通り、お腹側よりも尻尾側のお刺身のほうが味が濃くて美味しいです!!
シイラのカルパッチョ
塩とディル(香草)、レモン汁、砂糖少々を混ぜたオリーブオイルをかけてみました。
(・н・)パクッ う~ん…これは正直美味しくない…オリーブオイル味のできそこないのゼリーを食べてる感じがする…。
シイラは淡白なので、カルパッチョで食べるならソースの味付けをかなりしっかりさせなきゃダメかも。
シイラの黄金揚げ
シイラの黄金揚げは高知県の給食でも出される人気メニューです。
砂糖(大さじ1)、酢(大さじ1)、醤油(小さじ2)、みりん(大さじ1)を合わせてレンチンしタレを作ります。
シイラ(皮つき)に塩と酒をふって下味をつけた後、小麦粉をまぶして油で揚げて唐揚げにし、タレをかけて完成です。
好みでタレにネギとすりおろしたニンニク、生姜を加えても美味しいです!
( ˘ω˘ )モグモグ カリッと揚がった皮が香ばしくて美味しい!! 淡白で脂が少ないので、揚げ物にして油分を補ってあげると非常に美味しいです!!
柔らかいけど繊維を感じられる身で、加熱すると鶏肉っぽくなります。
そしてここでもタレが異常なほど美味しく感じます。一緒に食べてるご飯もいつもよりも美味しい。
シイラ自体は淡白で可もなく不可もなくな味わいなのですが、一緒に調理した食材や調味料の魅力を最大限に引き出して、料理そのものをめちゃくちゃ美味しくしてくれる魚みたいです。
それがとっても不思議なのです。
評価
星4つ ☆☆☆☆
シイラ自体は美味しいけど正直特にどうのこうのいう味わいではないです。
でも他の食材や調味料の旨みを引き出して、料理がめちゃくちゃ美味しくなる不思議な魚です。
試食で気づいたらシイラ1kgとご飯2合ぐらいをペロッと食べてしまったほど料理が美味しくなりました。
安価で量もありますし、スーパーなどで売っている時は激安みたいなので、見かけたらぜひ食べてみてください(・∀・)
※画像は全て筆者撮影
海鮮市場マルモト
https://www.0-to.com/[リンク]
<参考>
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/index.html[リンク]
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130677.html[リンク]
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/fukushi/eikanken/research/pdf/31cyosa09.pdf[リンク]
https://www.town.kuroshio.lg.jp/img/files/pv/sosiki/2019/01/3001-min.pdf!– orig { –>[リンク]