広尾・西麻布の寿司屋『鮨よし田』(東京都港区南麻布5-1-2)がインターネット上で「おいしい」「楽しい」と話題になっている。
実際に行けばわかるが、店内は広々としていて居心地が良い。寿司屋としての雰囲気を保ちつつも気取っていないのだ、カジュアルな人間としては居心地が良い。
完全予約制のため、決められた時間に着席し、いっせいに寿司を楽しむ。ドリンクはクラフトビールから焼酎、日本酒、そして自慢のワインに至るまで、数々の寿司や一品料理に合ったものが楽しめる。
当然ながら寿司は順番に出されるのだが、時折、一品料理が出され、それがもう酒に合う。
新たな皿が出るたびに酒をオーダーしてしまう自分がいる。ビールからの日本酒、そしてまた日本酒からの焼酎……。
自分のために、自分に向けて食べ物を手渡される料理は良い。
ふと、ローソンの外国人アルバイト店員・ラゴス君以外からしか、食べ物を手渡しされていないことに気がつく。そうか、ローソンのからあげクンはウマイが、手渡しだからウマイのかと認識。
食べると脂が広がる寿司は良い。どんな寿司も脂は正義。それが「とろける脂」なら尚更。
時折、脂たっぷりなのに身が引き締まりすぎている寿司があるのでガッカリするが、ここでそれはない。
延々と続きそうな、寿司と一品料理の数々。どれも食べてジワッと広がる心地よさ。
会話が止まる。同伴者の会話も止まる。
ウニが極めて至福で至高。大理石を切り出すかのようにシャリに盛ったウニ。
正直、好みの問題でウニを食べることは稀なのだが、ここのウニは別格。可能であれば3貫、いや6貫は食べたい。
蟹のおはぎ、現る。蟹であり、おはぎであり、寿司である。
食べてみる。
確かにこれ、蟹であり、おはぎであり、寿司であった。
アナゴのあとに、ウナギ。
似て非なるものだが、アナゴからのウナギの「とろけるグラデーション」が楽しめる展開が良き。
丁寧に仕込まれた寿司の数々、そのなかには「目を閉じて味覚に間隔を集中させたくなるもの」もあれば「開花して広がる旨味に身をゆだねたくなるもの」もあった。
ラストの自家製練乳で食べるイチゴはシメとしてアリ。量は少ないようにも感じるが、満腹になるための店とは違う気もするし、「このあとの事」にも合わせてのものとも考える。
食べた結果、おいしかった。ごちそうさまでした。
広尾・西麻布の『鮨よし田』で寿司を食べる。寿司のポテンシャルの高さは皆さんご存知の通りだが「そのポテンシャル」を改めて実感できる寿司屋でした。ウニをあまり好まない俺が「ウニうまい」と思えたのは良かった🍣 pic.twitter.com/4VRs4Srfwt
— クドウ@地球食べ歩き (@kudo_pon) January 29, 2024